住宅ローン契約書によく出てくる言葉の意味、知っていますか?
住宅を購入された方の多くは、住宅ローン控除(正式には「住宅借入金等特別控除」といいます)を利用されていると思います。
現行では10年間住宅ローン控除を受ける事が出来ますが、この10年の間に住宅ローンを借換えた場合はどうなるのでしょうか?
結論から申し上げますと、2つの条件を満たせば住宅ローン借換え後にも住宅ローン控除を受ける事が出来ます。
条件は以下の通りです。(国税庁HPより抜粋)
① 新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること
② 新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまること
まずは借換え後のローン期間が10年以上あることが大前提となります。
住宅ローン控除が適用されるか否かは、その住宅を取得した年に遡って条件を確認します。
控除対象年数が10年であれば、居住開始から10年を超えている場合は控除を受ける事は出来ません。
例えば、住宅購入6年目(5年目の控除が終わった後)に借換えを行ったのであれば、残りは5年間分となります。
住宅購入時に住宅ローン控除の適用がなかった場合
ローン期間が10年に満たない事が理由で、住宅ローン控除の適用が受けられなかった場合は、借換えでローン期間を10年以上にすることで、控除対象になる可能性があります。
また、親戚からの借金で住宅を購入した事が理由で、住宅ローン控除が受けられなかった場合に、銀行等の金融機関ローンへ借換えが出来たような場合も、控除対象となる可能性があります。
このようなケースは、詳細は最寄りの税務署にお問い合わせください。
借換え後の住宅ローン控除額(還付金額)の計算
以前、金融機関によっては諸費用も含めて住宅ローンの借換えが出来るという事をお話しました。
その場合は諸費用の分、住宅ローンの残高が増えるという事になりますね。
という事は、本来の年末残高(借換え前のローンの年末残高予定額)よりも借換え後の年末残高が多い事になります。
住宅ローン控除は、年末残高を基準に計算される為、年末残高が増えていると本来還付されるべき金額よりも多くの税金還付を受ける事になります。
そこで、調整が必要になります。
※借換え直前のローン残高が、借換え時の借入金額と同等、もしくは多い場合は、借換え後の年末残高をそのまま住宅ローン控除に使用してください。
諸費用も含めて借換えた場合の住宅ローン控除の調整方法
●借換え前の住宅ローン
・平成30年3月末の住宅ローン残高 2,656万8,773円 【A】
・年末残高予定額 2,608万6,864円 【B】
・残り期間 29年3ヵ月(住宅購入後5年9ヵ月経過)
・金利 2.3%
●借換え後の住宅ローン
・住宅ローン借入額 2,700万円 【C】
・年末残高予定額 2,647万8,930円 【D】
・融資期間 29年
・金利 1.2%
(平成30年4月に借換え、翌月からローン支払い開始と想定)
上記の場合は、次のように調整します。
借換え後の年末残高【D】 × 借換え時のローン残高【A】 ÷ 住宅ローン借入額【C】
2,647万8,930円 × 2,656万8,773円 ÷ 2,700万円 = 2,605万6,025円
借換え後と借換え前の金利が異なる為、借換え前の年末残高【B】と同額にはなりません。
この調整方法で出した金額を使用して住宅ローン控除を行います。
この場合は、2,605万6,025円の1%である26万500円が住宅ローン控除の上限額になります。
会社員の方は、会社の年末調整で住宅ローン控除を受けているかと思います。
そこで、年末調整を担当している部署に住宅ローンを諸費用含め借換えた旨を報告する必要があります。
確定申告をご自身で行っている方は上記の計算をご自身で行う必要がありますので注意してくださいね。
税理士さんに依頼されている方は、会社員の方と同様に税理士さんへ報告して、間違った確定申告をしないようにしましょう。
ご参考になれば幸いです。
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