「AI×ライフシフト時代」に対応するために
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
いよいよ令和元年もあと5日。今日で仕事納めという方も多いのではないでしょうか?
私は29日まで来客予約があり、年明けも2日に予約があるという有難い状態です!※とはいえ30日~1日まではお休みさせて頂きます。
さて、今日は日経新聞のこんな記事をご紹介します。
日経新聞2019/12/26 Web版 「都市より稼ぐ「無敵」支店 信頼関係築き資産運用」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53842780W9A221C1EE9000/
以下引用
逆張りの発想で、地方店舗を武器に変えた金融機関がある。いちよし証券で「無敵」の地方支店と呼ばれるのは、太平洋を望む和歌山県御坊市の支店だ。人口約2万人と小さな町だが、支店の資産残高は300億円を超える。理由は全く競合がいないからだ。1983年に地域唯一の地場証券だった御坊阪本証券を統合した経緯がある。
「無敵」支店は香川県の小豆島や長崎県の諫早市にもある。いちよしの小林稔社長は「地方にも資産運用の需要はあり、むしろ大都市よりも稼げる。地方店舗は閉めない」と話す。後継者不足などに悩む地場証券のM&A(合併・買収)は続ける方針だ。
顧客のニーズは地域によって異なる。預金が多い地域があれば、土地持ちが多い地域もあり、それぞれ最適な運用は違う。このため今年11月に各地域の営業本部を廃止し、支店の権限を強くした。意識するのは店舗に地元の名士を1人だけ置く戦略で地域の信頼を得た米証券のエドワード・ジョーンズだ。
引用終わり
記事では、いちよし証券が人口の少ない地方支店に活路を見出しているという内容となっています。
地方でも資産運用のニーズはある訳ですが、大手証券会社などは支店が無いところも多く、競合が少ないという利点や、評判が良ければ一気伝播する特性もあるでしょうから、長期の資産運用アドバイスを行えば支持も得られるのでしょう。※グロソブで話題になった小豆島も挙げられているのが気になりますが…
とはいえ今回この記事をご紹介したのは、いちよし証券というよりも、アメリカの証券会社「エドワード・ジョーンズ」が記事に取り上げられたからです。
この証券会社は、アメリカの地方に1人のアドバイザーがいる支店(全米で1万店舗を越える店舗数!)を出し、富裕層というよりも一般の方々に対して「長期の資産形成や資産運用」を提案しています。転勤もないため長期のお付き合いができることも信頼を得ている理由の一つです。
経営の神様、PFドラッカーの書籍でも紹介されており、顧客満足度も常に上位に入っているという同社ですが、何を隠そう、当事務所も手本とするのは「エドワード・ジョーンズ」と思って運営しています(笑)
アメリカではこういった「本当に顧客が必要とするサービス」を行う会社が牽引して、長期の資産形成をサポートする体系が出来上がっています。
AIやロボアドバイザーが持て囃されても、リーマンショックの経験もあり(アドバイザーがいない、もしくは助言を聞かなかった投資家は大損した)、アメリカでは人間アドバイザー+AIという組み合わせで資産運用をしている方が多い訳です。
そしてこういった「長期の資産形成のサポート」がビジネスとして成り立つような仕組み(アセットマネジメントフィーなど)があり、顧客の資産残高の成長がアドバイザーの収入に直結します。つまりwin-winの関係が顧客とアドバイザーにあるということですね。
それに対して日本の金融機関は手数料を稼ごうというビジネスモデルです。
今回のかんぽ生命の問題もそうですが、証券会社や銀行で問題となっている「回転売買」など長期で保有させない、手数料をいかに取るかという事をやらなければノルマをこなせない事業モデルでは当然「信頼関係」も築けず、金融機関や金融業界自体が信頼されないものになってしまい、本来の金融の役割を果たせないという結果に繋がっていると思います。
最近読んだ本で「ハーバードのファイナンスの授業」というものがありますが、そこには「不確実性に満ちたこの世界を生き抜くために必要なツールを提供するのがファイナンス(金融)の使命」と書かれています。
万が一があっても家族を守るための保険や、長い生きリスクやインフレなどのリスクから守ってくれる資産運用など今日でも金融の役割は大きいものです。
「エドワード・ジョーンズ」のように顧客に寄り添い、金融の使命を果たすことで、顧客に安心を持って生きてもらうことを当事務所のモットーとして、これからも務めを果たそうと改めて思いました。
今日もありがとうございます。