顧客本位の業務体制へはまだまだ遠い!?保険業界の実態から
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
今日は珍しく!?朝日新聞デジタルの記事からです。
外貨建て保険の販売、過去最高に「預金と同じ」誤解も
https://www.asahi.com/articles/ASM5T046WM5SULFA04Q.html
記事によると、昨年の生命保険大手5社(日本生命・第一生命HD・明治安田生命・住友生命・T&DHD)の外貨建て保険販売が対前年比で「5割増」と大幅に増えたそうです。
高利回りの金融商品として老後の資金対策で主に銀行窓口で人気!?があるのですが、日本円建ての保険では低金利のため保険を買ってもあまり増えないこともあり、今は外資系保険会社だけでなく国内生保会社も積極的に外貨建て保険を取り扱っています。
一番売り上げが高かったのは、第一生命ですが、なんと全体の保険収入の3割が外貨建て!との事です!日本生命も外貨建ての保険収入が1兆円を超えたとのことです!
記事では、銀行窓口に他の用事で行った高齢者などは「預金と同じ」と勘違いをしていたり、為替リスクによる元本割れリスクなどの仕組みも理解せず加入しているケースが多く、国民生活センターなどへの相談も増えていることを伝えていますが、この相談件数が国民生活センターで600件と5年前から比べて「5割増」となったようです。※生命保険協会のまとめでは17年度で1800件と5年前の「3倍」に急増したとのことでした。
先日は、ブログで若い方の外貨建て保険での将来資金準備に関して警鐘を鳴らしたのですが、主に高齢者への外貨建て保険販売も急増していますね。
「将来のために少しでもお金を増やしたい」という願望に対し、「投資」よりも手軽で且つ「安全」なイメージがある保険での運用は、金融商品を買うというハードルを大きく下げる効果があると思います。(ましてや銀行で買うなら安心感も強い)
しかし、保険であっても金融商品を買うという行為には変わりません。
また、買う場所が銀行であれ、保険ショップであれ、営業マン(レディ)であれ商品は当然同じで、「銀行だから大丈夫」はありません!※これ投資信託でも「銀行だから大丈夫」があるんですよね(汗)
一定の手続きを経て購入すると、それは「仕組みやリスクも理解したもの」とされます。
今は手続き書類も非常に多く、外貨建てや変額保険といった高リスクの商品は買う際にしつこく「仕組みやリスクは理解した」という同意を書面で交わしますね。※一部保険会社では電話での確認まであります。
ですから、「仕組みを理解していなかった」「元本割れると聞いていない」などの苦情を言っても、法律上ではその理屈は通らないと思った方がいいです。※そのために保険会社は書類を作成しています。
ですので、まずは、保険という「金融商品を買う」のだという意識を持って欲しいと思います。
その上で、この商品を買う事で将来本当に安心できるのか?どんなメリットが得られどんなデメリットがあるのかも検討する必要がありますね。
ただし、当然買う側だけに問題があるわけではありません。
売る側にもしっかりとした、商品知識や金融全般の知識だけでなく、倫理観も持って勧誘して欲しいと切に願います。
そうしないと、今後「法律的に」高齢者への金融商品販売に規制が掛かる恐れがあります。
私は保険は保障を得るためのものであり、資産運用(形成)手段としては向かない金融商品と考えていますから、基本的に高齢者は保険で保障を得るには向かない(確率が高くなるので掛金も高額なため)と思っています。
しかし、相続の現場では法律上や税法上の理由で保険を活用することもあり、高齢者でも保険の必要性は高いのです。
そんな中、もし高齢者への金融商品販売に規制がかかると、本来なら得られるメリットを受けられない状況にもなりかねません。※既に、一部保険会社では高齢者への保険販売に自主規制をかけているところも出てきました。
そうならないように、銀行や保険会社がしっかりと社員教育をしてクレームのない商品勧誘をしてもらいたいと思いますし、その商品が顧客の人生を左右しかねないという意識も必要かと思います。
※そういえば、数年前に東京で「お金を貯めたければコンビニと銀行に近づくな!」というタイトルのセミナーを開催しているFPの方がいましたがその通りになっています(汗)
大切なお金を守るためにも、銀行窓口に相談に行くときでさえ、「無料相談は無料商談」という心持ちで向かう様にしないといけませんね。
お金を払ってちゃんとした相談をしたい!という方はこちらからどうぞ!
https://www.kakei-lab.jp/お問合せ/
今日もありがとうございました。