「まちおこし」における“パクリ”と“カスタマイズ”
まちづくりはその地域で生活する人々が幸せに暮らすことを目指す運動体のひとつと考え、さまざまな“まちづくり”が存在します。
それは福祉であったり、経済活性化であったり、人口増加であったりします。
全国的に同じではなく、その地域に存在する課題を地域住民自らが考えて行動することが求められています。
いま、特に人口減少社会と高齢社会が差し迫っている現状で考えなければならないのが環境問題です。
環境問題と言っても生物多様性だとか、温暖化ガス排出削減といった地球規模のことを論ぜよという話ではありません。
特に都市を構成しているような社会生活においてエネルギー消費量を“まちづくり”レベルで減少させることを考えると、さまざまな地域の課題を考えるきっかけになり、地域住民のなすべきことが明確になることがあります。
例えば、建築物単体では高気密高断熱化など省エネルギー化が図られる傾向にありますが、結局最低限のエネルギーは必要としています。しかし、一昔前のエアコンも普及していない日本の社会では、暑ければ窓を開けて風を入れ、寒ければ上着を羽織って暖をとっていました。
別に何もない生活に戻せというわけではないですが、建築物単体だけでなく都市の構造を夏は涼しく、冬は暖かくなるように検討をいつの間にか行うことがなくなってしまいました。
これは2005年に開催された愛知万博の理念を検討していた際に言われていたことなのですが、「技術の力で省エネ性能が70%になり、使う側の人間の生活のエネルギー負荷を70%に抑えることで、0.7×0.7=0,45となり、エネルギー量が半分になる」という話がありました。
公共交通の整備の課題や、高コスト体質でかつ寿命の短い建築物などをどうするか・・・と言った課題は“環境まちづくり”を考えることで一歩進めることができるのです。
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