正月の多様性とまちづくり
ワークショップ概論の講義の最後に学生に感想を聞いています。
特に“ファシリテーター”や“ファシリテーション”という言葉はまだまだ一般的でないうえに、定義が一定していないこともあり、教えている側としてもうまく伝わったのだろうかという心配があります。
学生の一人が
「ファシリテーターという言葉をこの講義で初めて聞いたのですが、結局合コンの幹事さんみたいですね」
と感想をくれました。
確かにファシリテーターは合コンの幹事と似たような位置づけなのかもしれないと納得してしまいました。
ファシリテーターに求められるのは、ワークショップやミーディングを誘導し引っ張っていくのではなく、場のデザインを如何に行うかということに掛かっています。その中で、限られた時間で参加者相互が尊重しあって、合意形成を積み上げ、新しいアイデアを生み出し、その実効性を考え、それぞれの役割分担を見出しあうことができれば、ファシリテーターとして最高のパフォーマンスを発揮したと評価することができます。
合コンの幹事も、どのようなメンバーが集まるかが分からない中で、参加者メンバー間のコミュニケーションを楽しく作りあげ、そして次につながるような“ワクワク感”を創出し、誰もがお客ではなく、それぞれが参加したという意識を明確にして、「また集まりたい!」「新しい出会いが楽しい!」と思わせる場のデザインを行える幹事が名幹事となりうるのです。
その学生は
「まちづくりワークショップのファシリテーション技術を合コンの盛り上げに使ってみます!」
と楽し気に語ってくれました。
まずは身近なところでファシリテーション技術を磨くのも良い経験ではないかと思い、「頑張って!」と送り出しました。