少子高齢化よりも人口減少問題が深刻
少子化の要因の一つに「晩婚化」や「結婚をしたがらない若者たち」といったワードがならんでいます.
また結婚しても子育てにお金が掛かるということで,出産をためらう夫婦が多いという分析もあります.
その対策として行政が「男女の出会い」の演出や,「子育て支援プログラム」充実を図ろうとしています.
さて,これで本当に少子化の対策となるのでしょうか?
現在の経済社会では結婚することや出産することで経済的なメリットを与えることが政策的には一番簡単です.
すなわち,結婚すれば〇〇万円のお祝い金,定住すれば住宅補助または購入支援.出産すれば一人当たり〇〇万円,そして保育費無料,医療費は成人までは無料,学費無料・・・とすれば,一時的に出産数も上がるでしょう.
でもこうして産まれてきた子供たちが将来この国の社会で幸せに生きていく事が可能なのでしょうか?
今の社会が,今の大人たちが心から楽しく,幸せに過ごしているところを若い人たちや子供たちにみせていないことが重要ではないかと考えられます.
まずは「楽しく,幸せに」という意味をもう一度問い直してはどうでしょう.
収入があって・・・それも大した苦労(労働)もせずに・・・モノだけでなくジカンもお金で自由にできることが楽しく,幸せな生き方だと若い世代にメッセージを送っているのではないのでしょうか.
今の都市生活はエネルギーなどの資源の消費を前提に成立しています.もちろん消費を行なう限りコストが掛かってしまいます.都市生活はお金が掛かるという図式がどうしても出来上がってしまいます.
もし都市生活でもエネルギーや資源の消費を最小限にすることができれば,コストは限りなくミニマムに近づけることができます.その余裕分を「楽しく,幸せに」生活することに向けることをめざしていくことが,結果的にこの社会で安心して暮らすことができ,「楽しく,幸せ」な生活を送ることができることにつながります.
そうなれば,自然と出生率も上がってくるでしょう.
直接的な結婚・出産・子育てに関する費用を負担するのは西洋医学的な考え方と言えます.社会を楽しく幸せに生きていける環境に整えることは東洋医学的な考え方と言えるかもしれません.
今の日本のまちづくりには東洋医学的な発想から見直してみる必要があります.
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