ICT支援員がいない学校で何が起きているのか 〜見えにくい負担と、止まってしまう挑戦〜

大江香織

大江香織

テーマ:ICT支援員

「うちの子、学校でタブレットを使っているみたいだけど、ちゃんと学びにつながっているのかな…」

そんなふうに感じたことはありませんか。お子さんがタブレットに向かっていると、
「ちゃんと宿題に使えているのかな?」
「ただ動画を見ているだけになっていないかな?」
と心配になることもあるかもしれません。

実際に、使い方によっては、学びにつながる場合もあれば、そうでない場合もあります。

実は、学校の中では、保護者の皆様からは見えにくいところで、ICTを支える仕組みによって、大きな差が生まれています。

その一つが、ICT支援員の存在です。

もしICT支援員がいなかったら、学校ではどのようなことが起きるのでしょうか。

まず一つは、先生の負担が大きく増えることです。
ICTを活用した授業を行うためには、機器の準備や設定、トラブル対応、教材の選定など、多くの作業が必要になります。

特に、1人1台タブレットを持っている現在、500人の児童生徒がいれば、少なくとも500台のタブレットが稼働することになります。
500台もあれば、「充電しても充電できません」「画面が暗いままです」「ネットワークにつながりません」など、何かしらのトラブルが毎日のように発生すると言っても過言ではありません。

ICT支援員がいない場合、それらをすべて先生が担うことになります。
その結果、トラブル対応に時間が取られ、授業の中で子どもたちを見る余裕が減ってしまうこともあります。

そうなると、どうなるでしょうか。
学校の中では、情報担当の先生や詳しい先生に、「わからないので助けてください」という依頼が集中します。
その先生は、日々それらの対応に追われ、ご自身の業務の時間が削られていきます。

もちろん、頼む側の先生も丸投げしているわけではありません。
結果として、学校全体で、先生方の時間が少しずつ削られていく構造になります。

そうすると、新しいことに挑戦したくても、
「時間が足りない」
「トラブルが怖い」
という理由で、取り組みそのものが見送られてしまうことがあります。

その結果、本来であれば体験できたはずの学びが減ってしまったり、「とりあえず使うだけ」の授業になってしまうこともあります。

もう一つは、授業の質が安定しにくくなることです。

ICTは使い方によって、学びを深めることもあれば、逆に単なる作業になってしまうこともあります。
特に、ICTを使うこと自体が目的になってしまうと、その傾向は顕著になります。

しかし、時間に余裕がない状況では、授業を客観的に振り返ることが難しくなります。
その結果、相談できる相手がいない場合、「とりあえず使ってみる」にとどまり、学びとしての意味づけが不十分になることもあります。

さらに見逃せないのは、挑戦が続かないことです。

一度うまくいかなかったときに、「やっぱりやめておこう」となってしまう。
支えてくれる人がいない環境では、挑戦は単発で終わりやすくなります。

こうした積み重ねが、少しずつ差になっていきます。
表面上は同じように見えても、ICTの活用が進む学校とそうでない学校とで、子どもたちの経験に違いが生まれていくのです。

そしてもう一つは、保護者の皆様への説明の難しさです。

ICTをどのように使っているのか、なぜ使っているのか。
保護者の方の背景はさまざまです。そのため、ICTの活用が子どもたちの未来にどのようにつながるのかを、丁寧に繰り返し伝えていく必要があります。

子どもたちを一緒に育てるチームの一員として、ご理解いただくことが重要です。
しかし、それをわかりやすく伝える余裕がなければ、「よくわからない」という不安だけが残ってしまうこともあります。

ICT支援員は、こうした状況を未然に防ぐ存在です。
先生の負担を軽減し、授業の質を支え、子どもたちの「やってみたい」が続く環境をつくる。
そして、学校と家庭のあいだにある「よくわからない」という不安を、少しずつ解消していく役割も担っています。

ICT支援員は、特別なことをしているわけではありません。
ただ、「学校が前に進み続ける状態」を支えている存在です。

もし、

「学校でどんなふうにICTが使われているのかよくわからない」
「うちの子の学びにどう影響しているのか知りたい」

と感じることがありましたら、その疑問はとても自然なものです。
実際、同じように感じている保護者の方は少なくありません。

ハイパーブレインでは、ICTの活用や学校現場の実情について、保護者の皆様にもわかりやすくお伝えする機会を設けています。

「こんなことを聞いてもいいのかな?」という段階でも大丈夫ですので、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

大江香織
専門家

大江香織(教育情報化コーディネータ)

株式会社ハイパーブレイン

教育用AIチャットボットや、教育委員会と学校の情報共有をスムーズにするダッシュボードなどのICTツール開発。教師本来の業務である授業の充実や子どもとの触れ合いに専念できるようサポートします。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

学校教育のICT支援で子どもが笑顔で学ぶ環境を創出する専門家

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ愛知
  3. 愛知のビジネス
  4. 愛知のシステム開発・業務システム
  5. 大江香織
  6. コラム一覧
  7. ICT支援員がいない学校で何が起きているのか 〜見えにくい負担と、止まってしまう挑戦〜

大江香織プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼