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加藤武範プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

ヘルパー 訪問介護 家族

加藤武範

加藤武範

テーマ:介護保険

ヘルパーさんが食事の準備を手伝ってくれたり、お風呂やトイレなど水回りを掃除してくれたりする介護保険のサービスを「訪問介護」と言います。
実は昨年亡くなった私の母親も長年、ヘルパー(訪問介護)の仕事をしていました。私が福祉業界に足を踏み入れたきっかけの一つが母の姿だったと思います。

先日、あるケアマネジャーさんと話をしていて、少し感動したお話をします。
胃癌末期、余命いくばくの40代女性の方のケアマネを担当しているそうです。子供さんは小学生の高学年と低学年の二人。暑くなって、台所に立つのもやっと…食事がだんだん食べられなくなり、ケアマネさんの提案で、ヘルパーさんに週1回入ってもらって、消化が良くて食べやすい物を作ってもらいましょう~となったそうです。料理が得意なヘルパーさんがうどんや煮物など胃に優しくて、食べやすい物を作ってくれたおかげで、ご本人も少し食欲が出てきたそうです。ケアマネさんの提案はとても素敵だと思いました。

サービスが開始され数週間、ケアマネさんとヘルパーさんがこんな話をされたそうです。
ケアマネ「ヘルパーさん。おかず多めに作ってあげてね」
ヘルパー「わかってるわよ。今日は、きんぴらごぼうと小松菜のおひたしを大量に作り置きしたよ」
ケアマネ「有難うねー。子供達にも美味しい物食べさせてあげたいよね」

この会話、介護保険を管理監督する側の人からするとアウトの発言かもしれません。介護保険は、要介護や要支援の認定を受けた方へのサービスです。同居する家族に食事を作ったり、家族の部屋を掃除する事は禁じられています。
ただ、このような状況…子供達も母親の手作りの味に飢えているはずです。お母さんも子供たちの為に、いっぱい作ってあげたいのに、作れない切なさ…そんな気持ちをしっかり汲み上げてサービス提供するヘルパーさん、ケアマネさんの気持ちにとても温かい物を感じました。介護保険制度としては厳密には違反かもしれません。それでも、心の通ったサービス提供に私は拍手を送りたいと思います。

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

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