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加藤武範プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

認知症行方不明者

加藤武範

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テーマ:高齢者 介護 問題

たまたまテレビを見ていたところ、認知症行方不明者1万8000人とNHKの番組がやっていました。
軽度認知症の高齢者が行方不明になるケースが増えている…という内容でした。

私の母親もひどい認知症でした。
鮮明に思い出されたのは、当時、隣町のコンビニエンスストアから電話があり、店主から「どうも家が分からない様です。でも、家の電話番号は分かる様で、電話させてもらいました」との事でした。その日、母はなぜか自転車で犬の散歩に出かけてしまい迷子になってしまった様でした。
コンビニエンスストアまで迎えに行ったところ、本人はケロッとした様子で、私が「どうしたん?」と聞くと「犬が勝手に走って行ってな…追っかけて行ったのよ。犬がな…」との事でした。

その頃の母は、家族に間違いを指摘されたり、私がきつい言葉をかけると、イライラして、「国鉄に飛び込む!(JRです)」と言って、家を飛び出していく事もありました。また、飼い犬が「ワン!」と吠えると、「散歩か?」と言って、一日に何度も何度も犬を連れて散歩に出かけていきました。それも首輪にリードを引っかける事が分からなくなり、長めのビニール紐を犬の首に直接結んでいました。ちょっと笑えました…。今思えば、犬が誘導して自宅に帰れてたのではないでしょうか…

認知症患者の意思や考えを尊重するのがベースでしょうが、介護する家族は、思い通り動いてくれない連れ合いや親に対して大変な思いをしています。また、認知症であることを近隣の人に知られたくない…。そもそも自分の連れ合いや親が認知症であることを認めたくない…。認知症患者の面倒をみるのは夫婦であったり、子供の役目で、介護サービスを利用する事や施設に入所させる事に抵抗がある等、認知症患者を介護する事自体を受容できない方も多くいらっしゃいます。
なにが正解か?私にはわかりません…。
認知症になってしまった本人はものすごく不安を感じています。そして、その家族も…ただ、本人は主体的に助けを求めることはできません。やはり、家族が本人の気持ちに寄り添いながら何ができるか?様々な社会資源を活用する事を考えて頂きたいですし、介護をする家族を取り巻く方々が、見て見ぬふりをせず、積極的に本人、家族に声をかけてもらいたいと思います。

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

加藤武範プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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