社長依存が、管理職依存に変わっただけ

蛯原健治

蛯原健治

テーマ:組織づくり チームビルディング 事業承継

組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。
社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。



「社長が全部決める状態を変えたい」
そう考えて、
管理職へ権限委譲を進める会社があります。
実際、最初はうまくいったように見えます。


社長がいなくても会議が進む。
現場の相談が減る。
管理職が判断して動いてくれる。


ところが、
しばらくすると別のことが起き始めます。


みんながその管理職に確認する。
会議でその人ばかり話す。
問題が起きると、その人が回収する。
他の社員は、「どうしましょうか?」が増える。


すると今度は、その管理職が疲弊していきます。
「結局、自分が全部見ないと回らない」
そんな言葉が出始めます。


中小企業では、よくある光景です。


でもこれは、
社員の意識が低いわけでも、
管理職の能力不足でもありません。


多くの場合、
「社長依存」が、「管理職依存」に変わっただけです。


依存先が変わったので、
一見すると組織が前進したように見えます。
しかし構造は、ほとんど変わっていません。


みんなの頭の中が、
「社長に聞く」
から
「管理職に聞く」
へ変わっただけだからです。


ここで難しいのは、
管理職本人に悪気がないことです。


責任感が強い人ほど、
「自分がやった方が早い」
「自分が判断した方が安全」
となります。


しかも実際、
その方が短期的には成果が出ます。
だから周囲も頼る。


するとさらに、
その人に仕事が集中する。
これは能力の問題というより、組織構造の問題です。


本当に組織が変わり始める時は、
むしろ少し停滞します。


会議で沈黙が増える。
すぐに答えが出ない。
現場がぎこちなくなる。


でもそれは、
「誰かの答えを待つ組織」から、
「自分たちで考える組織」へ変わる途中で起きる自然な揺れでもあります。


まずは、
「誰に相談が集中しているか」
を観察してみてください。


問題が起きた時、
みんなが同じ人を見るなら、
そこには“依存構造”があるかもしれません。


そして、すぐに答えを出す代わりに、
「あなたはどう思う?」
と問いを返してみる。


最初は時間がかかります。
沈黙も増えます。
でも、その時間こそが、
“自分で考える組織”を育てる時間なのだと思います。



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蛯原健治(コンサルタント)

EBIマネジメントオフィス

チームビルディングコンサルティングにより、リアルな経営課題の解決、次世代の経営チームづくり、従業員の成長を三位一体でサポートし、持続可能な企業経営に結び付ける。

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