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50代の住宅計画で気を付けるべきこと

廣瀬貴志

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テーマ:家づくり相談




住宅相談をしていると、50代のご夫婦から住替えやリフォームのご相談を受けることがあります。

その多くは、子供の独立をきっかけに、自分たちの老後の為のリフォームや、教育資金を優先にして、住まいの我慢していたところや傷んだところを直したいという計画のご相談や、子育てがひと段落したので、自分たちが住みやすい環境に、住替えを希望されたりされることが多いですね。

そのほとんどが1度家づくりを経験されている方なので、自分たちでほぼ計画され、何社か比較した上で背中を押してもらたり、自分たちの計画が正しいのを確認するために、相談に来られている印象です。

しかしながら50代で住宅計画するからこそ注意すべき点があることに気づかれていない方が多いのも事実。

注意すべき点をこれから解説していきます。

◆メンテナンスとリフォームは違う◆

住宅のメンテナンスとリフォームを一色単に考えている方が多く、そのせいで住宅計画のお金を掛けなければいけない優先順位が変わってきます。

優先順位が高いのは「メンテナンス」

そのあとに「リフォーム」が来ます。

メンテナンス:住まいを維持するために必要な工事で、屋根や外壁等の劣化を直すこと。

人間に例えると、病気を治すための治療に近いイメージです。

リフォーム:住まいを維持する為の工事ではなく、雰囲気を変えたり、使い勝手を変えたりする工事のこと。

これも人間に例えたら、洋服を気分で変えたり、古くなったシャツを買い替えたりするイメージですね。

病気は直さないと、命に係わる場合もあり、住まいもメンテナンスをしないと、家自体の寿命が短くなる恐れが出てきます。

だからこそメンテナンスは優先順位が高くなるのです。

しかしながら多くの人は、リフォームのついでにメンテナンスをしようとしてしまっている傾向にありますね。

50代の方であれば30年以上必要になることが予想される住宅です。

家にかけるお金の優先順位を考えて住宅計画を進めましょう。

◆住宅計画に掛ける資金計画は大丈夫?◆

建替えや住替え、リフォームなど住宅計画は様々です。

しかしながらどの住宅計画にもまとまった費用が掛かってきますよね。

50代の方の資金計画の多くは‟退職金”をあてにした計画が多いということです。

30代で家を購入された方の多くは35年の期間で住宅ローンを借りておられる傾向があり、50代で住宅計画を考えられる時にはまだ住宅ローンの返済が残っている状況。

そして日本人は借金が嫌いな傾向があり、住宅ローンは退職金で返済してしまい身軽な状態で老後を向かえて、年金で暮らすというイメージを持っておられる方が多く見られます。

50代までにためたお金を住宅に費やし、退職金をローンの返済にあてるという計画は本当に大丈夫なのでしょうか?

最終的に老後を向かえる時、手元にいくら残るのか?

その残ったお金で、自分が描いている老後の暮らしができるのか?

そこまで考えて住宅計画を考えていないと危険な場合も少なくありません。

◆老後2000万円問題◆

金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書を発端に‟老後2000万円問題”が話題となっていました。

当時の政権が慌てて火消しをしていたのが印象的でしたね。

ある前提のもとに算出された数字ですが、間違った内容ではないのが問題だったのではないでしょうか。

でも政府が間違いだというからには、自分は大丈夫!と思ってませんか?

そんな人ほど危険な状況の場合があるので注意が必要ですよ。

老後から急にお金を増やすということはなかなか難しく、年金受給+貯蓄で暮らす方がほとんどではないでしょうか。

だからこそ老後に突入するときのお金の計画はしっかりしないと取り返しがつかなくなります。

◆50代の住宅計画に必要なお金の計画◆

老後に必要なお金を把握し、自身の退職金や年金受給額を知ること。

その上で、現在の住宅ローンの返済方法を検討しましょう。

場合によっては、退職金で返済せずに、住宅ローンをそのまま払い続けたほうが良いときも見受けられます。

老後の安心を担保した上で、今住宅にいくら使えるのかを確かめましょう!

そしてメンテナンスを優先しながら、リフォームを考えてみてください。

老後を楽しむための住宅計画のはずが、‟生活が苦しくてそれどころじゃない”とならないようにしないといけないですね。

もし自身の住宅計画が不安な場合や、自分で考えるのが難しいと感じられたときは、気軽にご相談ください。

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専門家

廣瀬貴志

住まいづくりの相談窓口「hi-s」(ハイズ)/ヤマイチ株式会社

無料の住まいづくり相談窓口を運営し、家を建てようとする消費者に工務店や不動産業者の選び方などポイントをアドバイス。老舗建材商社の取引ネットワークを生かし、第三者の客観的な視点から的確な情報を伝える。

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