治療機器の名前だけが一人歩きしないために
レーザー治療自体は有名なのにレーザー後の色素沈着についてはまだご存じない方も多いようなので改めてお話しいたします。
一般的に知られているのはしみに対するレーザー治療後に生ずる茶色い色素沈着だと思いますが、じつは色素沈着は治療目的やレーザーの種類に関係なく起こりうるものです。個人的にその発生確率は約50%という印象を持っています。確率が高くて驚かれるかもしれませんが、それだけありふれた、つまりよくある現象だということです。
結論を言うとこの色素沈着もいずれは消えるので特に深刻なことではありませんが、人によっては治療前より色が濃くなって目立つ時期があるので、そのあたりが悩ましい所ではあります。
なぜ色素沈着が起こるのか?についてはその原因と考えられるものが多数あるため特定はできませんが、レーザー自体の刺激も無関係ではありません。これはレーザーの副作用ではなく、また照射が強過ぎたからということでもありません。ある程度は止むを得ないものとご理解ください。
というのは、レーザーを当てる以上は大なり小なりその部分や周囲に刺激が加わるからです。逆に刺激が全くないとすれば治療効果もありません。例えばシミ治療だとかさぶたにもならないし、その後ポロッと取れることもないということです。
刺激が色素沈着の発生原因のひとつだとするならば、この色素沈着を改善させるためには刺激を繰り返さないことが重要です。
従ってシミの治療後には原則的に再度レーザーをしないことと、ホクロやその他繰り返しレーザーが必要なものではしばらくレーザーを休んで肌を休憩させる場合もあります。あわせてトレチノインやハイドロキノンなどの塗り薬を使うこともよくあります。
レーザー治療は治療したその後も大切なのです。