75.【超・実践編】怒る顧客を「一生モノのファン」に変える!神対応クレーム処理の初期対応術

森和吉

森和吉

テーマ:デジタルマーケティング

はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。

前回(第74回)は、長年のお付き合いの中で発生する無理な値下げや無茶振り要求に対し、関係を壊さずにスマートに断る「条件付き承諾(Yes, if...)」の技術についてお話ししました。安易に引き受けず、プロとしての線引きをすることが、対等で息の長いパートナーシップを作るという内容でしたね。

さて、どれだけ業務を標準化し、気を配っていても、ビジネスにおいて100%避けて通ることができないのが「クレーム・トラブルの発生」です。

納期の遅れ、製品の不具合、連絡の行き違い―。お客様からお怒りの電話やメールが入った瞬間、胃がキリキリ痛み、「なんとか言い訳をして納めたい」「自分たちの責任ではないと証明したい」という自己防衛の本能が働いてしまうのが人間の心理です。

しかし、ここが最大の分岐点です。クレーム対応を間違えると一瞬で信用を失い、SNS等で拡散されて命取りになりますが、初期対応を完璧にこなすと、怒っていたお客様が以前よりも圧倒的な「熱狂的ファン」へと激変するという奇跡が起こります。

今回は、ピンチを最大のチャンスに変える「神対応クレーム処理」の初期対応術をお伝えします。

お客様が本当に怒っている「本当の理由」とは?


クレームが発生した際、多くの経営者やスタッフが陥るミスは、「発生した問題そのもの(製品の不備など)」だけにフォーカスしてしまうことです。

しかし、お客様が本当に怒り、激怒している理由は、問題そのものよりも「その後の会社の対応(スピード・態度・自己防衛)」に対してです。

  • 「まず自分たちの言い分を主張してきた」
  • 「担当者がたらい回しにされ、対応が遅い」
  • 「『マニュアルでは〜』と冷たくあしらわれた」


このような対応をされると、お客様は「粗悪品を掴まされた」こと以上に、「一人の人間として雑に扱われた(大切にされていない)」と感じ、怒りが爆発するのです。

怒りを一瞬で鎮め、ファン化させる「初期対応の3鉄則」


1.まず、不安・不快にさせた感情に100%共感してお詫びする


相手が怒っているとき、まずやるべきは「どちらが正しいか」の議論ではありません。お客様の「困惑・怒り・不安」という感情をそのまま受け止めることです。
「〇〇様、この度は大切なご業務(お時間)を止めてしまい、大変なご迷惑とご不快な思いをおかけしてしまい、誠に申し訳ございません」
責任の所在をうやむやにするのではなく、「相手に嫌な思いをさせたという事実」に対して、言い訳ゼロで一歩も引かずに頭を下げる。この潔い誠意が、お客様の尖った感情をすっと和らげます。

2.「2時間以内」の爆速レスポンスで誠意を見せる


クレーム対応において、最大の武器は「スピード」です。時間が経てば経つほど、お客様の脳内で被害感情は膨れ上がります。
問題の原因調査に時間がかかる場合であっても、連絡を放置してはいけません。
「〇〇様、現在原因を緊急究明中でございます。取り急ぎ、事故の第一報とお詫びをお伝えしたくご連絡いたしました。本日15時までに調査の途中経過を再度ご連絡いたします」
このように「状況を先回りして報告する(第67回)」姿勢を見せることで、お客様は「逃げずに誠心誠意対応してくれている」と実感し、安心感へと変わっていきます。

3.経営者・責任者が「自分の足」で直接出向く


トラブルの規模が大きい場合、担当者に任せきりにせず、経営者であるあなた自身が速やかに現場やお客様の元へ足を運んでください。
「社長が直々に真っ先にお詫びに来てくれた」という事実は、言葉以上に雄弁に会社の誠意(人肌感)を物語ります。これだけで、怒りの8割は消え去ると言っても過言ではありません。

期待値を超える「代替案とリカバリー」が感動を生む


クレームを終息させた後、さらに一歩進んで「ファン化」させるための決定打があります。それは、「元の状態に戻す(マイナスをゼロにする)だけでなく、お客様の期待を超えるお詫びと改善策を添えること」です。

不具合のあった商品を新品に交換するだけでなく、手書きのお詫び状と小さな心ばかりの品を添える。あるいは、「今回の件を教訓に、社内の工程をこのように見直しました」という再発防止策のレポートを後日届ける。

「ここまで徹底して対応してくれる会社なのか!」と感動したお客様は、トラブル前以上にあなたの会社の強烈なファンになり、「何かあっても絶対に逃げない信頼できる会社」として、他社に熱狂的に紹介してくれるようになります。

今回の実践ポイント


  1. 自己防衛(言い訳)を一切捨て、まずお客様の感情に寄り添ってお詫びする
  2. 原因調査の途中であっても、数時間以内の「爆速のレスポンス」を徹底する
  3. マイナスをゼロにして終わらせず、誠意あふれるリカバリーで「感動の体験」に変える


クレームは、会社の弱点を教えてくれる「無料のコンサルティング」であり、顧客との絆をより強固にするための「試練のイベント」です。

逃げずに正面から向き合い、最高のおもてなし(人肌感)でピンチをチャンスに変えていきましょう。

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