03.デジタルマーケティングは「魔法の杖」ではなく「魔法の薬」である

森和吉

森和吉

テーマ:デジタルマーケティング

「Webに広告を出せば、明日から注文が鳴り止まないはずだ」
経営者の方とお話ししていると、デジタルマーケティングを、振れば望みが叶う「魔法の杖」のように期待されているケースによく遭遇します。

しかし、20年近く現場を見てきた私の結論は違います。デジタルマーケティングは杖ではなく、正しく服用してこそ効果を発揮する「魔法の薬」です。

1. 「用法・用量」を間違えると、コストは毒になる


薬に「用法・用量」があるように、Web集客にも自社のフェーズに合った適切な施策の量があります。

例えば、自社サイトの「受け皿」が整っていない状態で、いきなり月額100万円のリスティング広告(検索連動型広告)を出すのは、体に合わない強い薬を一気に飲むようなものです。
第1回・第2回でお伝えした「パノラマ・デジマ地図」で言えば、STEP 2(検討)やSTEP 3(顧客化)の体制ができていない状態でSTEP 1(認知)の広告だけを増やしても、資金が枯渇するだけで成果は出ません。

まずは自社の「体力(リソースやWebサイトの状態)」を客観的なデータ(GA4などの数値)で診察し、適切な順番で施策を打つことが、無駄なコストを「投資」に変える唯一の方法です [2, 2]。

2. 「即効性」への執着が失敗を招く


健康管理において、1日激しい運動をしただけで翌日に理想の体型になることはありません。デジタルマーケティングも同様です。
特にオウンドメディア(お役立ち記事)やSNS運用は、効果が出るまでに最低でも3ヶ月から半年、長い場合は1年の継続が必要です 。

実は、SNS運用を始めた企業の約60%が1年以内に更新を投げ出しているというデータがあります 。
「すぐに結果が出ないから」と服用をやめてしまう。しかし、複利の効果と同じで、Web集客の資産価値は継続した先にこそ積み上がります。1年以上継続できた企業は、それだけでライバル不在のブルーオーシャンに立つことができるのです。

3. 【数字で見る】継続の複利効果


ある人材紹介会社の事例では、SEO(検索エンジン最適化)対策を地道に継続した結果、開始から2ヶ月で自然流入数が33倍に跳ね上がりました 。
また、月20本のコラム更新を10ヶ月継続した不動産会社は、主要キーワードで検索1位を独占し、最終的に月間1,000件以上の問い合わせを獲得するまでになりました [2, 2]。

これらは「一発逆転の魔法」を使ったわけではありません。正しい手順(地図)を守り、適切な分量をコツコツと積み上げた「処方箋」の結果です。

デジタルマーケティングという「薬」は、即効性はなくとも、正しく使い続ければあなたの会社の経営体質を根本から改善する最強の武器になります。

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