体験・参加型イベントで人間関係を深める社会貢献事業（1/3）

得意分野を生かして笑顔の和を広げる活動

　プロ級の技術を持っているのに、生かしきれていない人材を登用して人との出会いの場を提供する事業をしている女性がいます。「やまとなでしこ倶楽部」代表の本間惠子さん、東京、神奈川の老人ホームなどで体験・参加型のイベント「アクティビティサービス」を展開しています。

　現在、複数の老人介護施設でオファーのかかる本間さんですが、道のりは平坦ではありませんでした。自分たちの持っている技術やスキルを活かして、社会貢献できる場を作りたい、と思い一念発起。その想いとともに企画を様々な団体に説明に行きました。ところが、まだ無名の女性が代表の団体、門前払いを受けたり、話もそこそこに断られたりを繰り返します。それでも、必ず理解してくれるところがある、多くの方に役立てるサービスだとの信念のもと、努力を重ねてきました。

　「やっとここまで来れた、というのが本音です。いまでは大手企業が経営する老人施設に多様なイベントで訪問しています。そして、最初にお目にかかった時とは別人のようになるご老人の姿を拝見することができ、倶楽部の会員含め、やりがいを感じています」

　これまでに出会ったご老人のなかには、本間さんたちのイベントに参加して忘れてしまった過去を取り戻し、誇りを取り戻した女性もいます。「認知症の方でしたが、かつてはフレンチを渡仏までして学んだプロ。過去を忘れてしまい、ご自分への誇りや自信を失っていました。そんな時、私たちがパン作りのイベントで訪れました。その方はホイップクリームを作っている時に、過去を思い出し、ご参加の方々にごく自然に優しく指導されました。そこから大切な過去を思い出され、誇りを取り戻されました」

　そのイベント後、関係が良好とは言えなかった人間関係が改善され、訪れるたびにイキイキしたお顔に出会える、と嬉しそうに本間さんは語ります。

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