今の状況で企業の活性化を図るには
「経験に勝るものはなし」とよく言われます。これは多くの人が自分自身でまさに「経験」していることかと思います。
多大な知識よりも実践する方が価値があるという意味、やってみなければわからないという意味、経験を重ねてこそパワーとなるという意味など、実はいくつかの視点がありますが、どれも皆そのとおりと思います。
これはキャリアサポートにおいても同様です。
どんなに知識を身につけても、現場の経験がないと説得力のあるアドバイスができません。
私が若かりし頃、ある人材紹介業者の人からスカウトを受け、面談をしました。組織に属さず一人でやっているとのこと。私は希望を聞かれ「一度、外資系で働きたい」と言いました。そうすると、そのあとの面談時間のほぼすべてを外資系で働かない方がよい理由について延々と述べてました。
私を高く評価してくれていることがわかったことはよかったけど、結局は全く無駄な時間でした。そのあともしつこく連絡がくるので、聞いてみました。「外資系で働いたことありますか?」。答えは想像どおり「ない」。
外資系経験はないし、紹介先にも外資系はなく紹介した実績もない。それは仕方ないなと思ったのですが、その後、外資系2社で働き、人材紹介会社にも所属した私は、当時のその人の行動に怒りすら覚えました。人のための仕事をしているように見えて、全く逆で、人の人生をおかしくしてしまいかねないからです。そんな人が増えていったら、多くの人が本来得られる幸福感を奪われ、社会全体もおかしくなる。
とはいえ、知識も必要です。いらないわけではありません。知識と経験が必要です。
でもだったら、自分が経験した範囲でしかキャリアサポートの仕事ができないのか、となります。多くの人はそれを補うために知識を身につけるのですが、そうすると問題はまたループしてしまいます。
知識でない別の補完方法が必要となります。
今、人類が経験したことのないことが起こっています。というと、コロナ禍のことを思い浮かべると思いますが、AI時代、人生100年時代、どれもこれまで経験したことのない時代です。これまでの経験が活かされない時代です。逆に経験にもとづくだけでは、しかるべき方向へのアドバイスができなくなってきたとも言えます。
これからの時代、「経験は知識に勝る」は、もちろんそうですが、「経験に勝るもの」が必要になっています。
それは何か?
経験だけで未来は見えません。
未来を描く力、未来を一緒に描くスキルが重要となってきます。すでにそれらを身につけている人もいます。それらに人たちにはもっと活躍して欲しい。そしてそれらを身につけて実践する人を一人でも多くつくり、一緒に活動していきたい、そんな思いで志を同じくする人たちと活動を進め、組織体制確立の準備をしています。
現在まだ制度設計の途中ですが、一人でも多くの人の経験と考えがより効果の高いものになりますので、企業所属かどうかにかかわらず、キャリアサポートを生業としているかどうかにかかわらず、共感や賛同する皆さん、興味を持たれた皆さんの早期からのご参画を期待しています。ぜひご自身の思いや考えをメールでお送りください。お待ちしています。