東洋医学とは何か 54 ー第2次世界大戦後に医業類似行為(医療類似行為と療術行為を合わせた新名称)が一代限り昭和30年末まで営業が認められるー
こんにちは、京王線新宿駅から特急2駅目約15分の調布駅前にある清野鍼灸整骨院の院長清野充典です。当院は、京王線調布駅前で、鍼灸治療、柔道整復治療、瘀血吸圧治療、ヨーガ療法等の東洋医学に基づいた治療を、最新の医学と最先端の医術を基に、診療を行っています。
私は、順天堂大学大学院医学研究科の医史学研究室に在籍しています。東洋医学について長年研究をしてまいりましたので、東洋医学についてコラムを書いています。
明治7年(1874年)8月18日に医師制度(医制)が誕生してドイツ医学中心の医学・医療に変わりました。江戸時代まで鍼灸治療、薬草治療、整骨治療、按摩治療等の医療は「本道(ほんどう)」と呼ばれていましたが、国の中心となる医療ではなくなったことから、別称として「漢方」と呼ばれるようになりました。明治17年(1884年)1月1日に行われた第1回医術開業試験以降、医師国家試験には漢方に関連した問題が出題されないことから、試験に合格することを目的とした医師たちは漢方を学ぼうとしなくなったため、明治20年(1887年)以降、漢方医学は大きく衰退しました。その後、漢方の復興に関する活動が実り、明治44年(1911年)8月14日には「鍼術灸術営業取締規則」と「按摩術営業取締規則」が制定され、漢方の一つである鍼灸術や按摩術(あん摩)や徒手整復術(柔道整復術)は、正式に国家の医療として復活しました。鍼灸師や按摩師には、医師と同様に西洋医学を基本とした試験に合格または学校もしくは講習所を卒業して免許鑑札を受けることが課せられました。
江戸期まで、本道の一つであった「按摩」という手技療法は、漢方の衰退と共に新たな療法が誕生し、明治期になり「指圧」、大正期に「医療類似行為」、昭和期に「療術行為」という新たな名称や法律用語が生まれました。
昭和22年(1947年)5月3日に、新憲法が施行され、それまでの憲法が、昭和22年末に効力を失うことになりました。それに伴い、 昭和22年(1947年)2月に厚生大臣の諮問機関として医療制度審議会が設置されました。同年3月に、明治44年(1911年)8月14日に制定された「鍼術灸術営業取締規則」と「按摩術営業取締規則」をもとに、「指圧」、「医療類似行為」、「療術行為」の取扱について話し合いがもたれました。そこで話し合われた答申で、「指圧」・「医療類似行為」・「療術行為」は、「医業類似行為」という名称で述べられました。そこでの話し合いでは、「いわゆる医業類似行為は禁止する」という内容でした。
しかしながら、昭和22年12月3日に第1回特別国会に提出され、12月20日に交付、昭和23年(1948年)1月1日に公布された「あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法」は、「医業類似行為」を営業している者を、届出した者に限り、昭和30年末まで認めるという内容でした。この措置により、17,000人が届出を行いました。
登録者は「届出医業類似行為業者」となりました。
この法律は、公布から施行まで極めて短かったため、昭和23年(1948年)6月末まで延期されました。厚生省医務局長らは「医業類似行為」を、「医業類似行為とは、医師、歯科医師、あん摩師、はり師、きゅう師または柔道整復師等他の法令で正式にその資格を認められた者が、その業務としてする行為でないもの」と定義しています。「医業類似行為」とは、人体に効果があると思われる「手技、電気、光線、刺戟、温熱療法」の5つの行為です。この登録制度は、戦前に医療類似行為や療術行為等として生計を立てていた人達の救済目的として行われました。
昭和23年(1948年)7月16日には、「あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法に関する特例」が制定されました。昭和23年(1948年)1月1日に従来の内務省から免許鑑札を受けていた者に、昭和23年(1948年)末まで特例試験を行い免許を与えるという法律です。
この法律は、昭和26年(1951年)、昭和28年(1953年)と次々改正され、最終的に昭和38年(1963年)末まで延長されます。
この決定は、戦争がもたらした混乱が背景にあります。
(つづく)
東洋医学・東洋医療に関して、すぐに詳細をお知りになりたい方は、清野鍼灸整骨院ホームページ「東洋医学の辞書サイト」やブログをご覧頂きたく思います。「アーユルベーダ」の一つであるヨーガについては、「清野充典の東洋医学ひとりごと」のブログに掲載しています。
清野鍼灸整骨院HP http://seino-1987.jp/
清野充典の東洋医学ひとりごと https://seino1987.tamaliver.jp/c19872.html
平成31年4月8日(月)
東京・調布 清野鍼灸整骨院
院長 清野充典 記
【東京・調布 清野鍼灸整骨院】
院長:清野充典 中国学修士・鍼灸学士・社会福祉学士
はり師 きゅう師 柔道整復師 社会福祉士 精神保健福祉士 介護福祉士
開設記念日 1987年(昭和62年)2月2日(月)
場所:東京都調布市布田1-45-1 CIELOビル3階
(京王線調布駅東口北側目の前 新宿駅より特急15分2駅目)
3階総合受付
外来専門診療室
鍼灸総合治療室・整骨接骨治療室
鍼灸内科 骨折
鍼灸外科 脱臼
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鍼灸婦人科 打撲
鍼灸小児科 挫傷
鍼灸心療内科 スポーツ外傷
鍼灸精神科
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受付時間:平日午前9:00~12:00
午後3:00~ 7:00
木曜午前 ヨーガ教室
午後1:30~5:30
土曜午前9:00~12:00
午後3:00~6:00
休診日:木曜午前・日曜・祝日
電話番号:042-481-3770
【東京・府中 清野鍼灸整骨院 府中センター】
開設記念日 1991年(平成3年)4月6日(土)
場所:東京都府中市八幡町3-3-5 大久保ビル1階
(京王線東府中駅より徒歩3分 旧甲州街道沿い)
院長:吉田卓司 鍼灸学士
はり師 きゅう師 柔道整復師
受付時間:平日午前9:00~12:00
午後3:00~7:00
土曜午前9:00~12:00
午後3:00~6:00
休診日:木曜・日曜・祝日
電話番号:042-335-3770
【清野治療所創業記念日】 1946年(昭和21年)10月5日(土)創業73年目