投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
2026年7月3日にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2025年度の運用状況データを公開しました。
GPIFでは基本ポートフォリオとして、
国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4つの資産クラスに25%ずつ割り振って運用しています。
(乖離許容幅は、国内株式が±6%、国内債券が±6%、外国株式が±6%、外国債券が±5%)
(出所)2026年7月3日 GPIF 2025年度 業務概況書より抜粋
GPIFが投資する株式、TOP25は?
GPIFでは運用している銘柄を公表しています。
国内株式・外国株式でそれぞれ時価総額TOP25をランキング形式で表示すると以下のようになります。
GPIF保有 国内株式 時価総額TOP25

(※クリックで図表拡大します。個別銘柄を推奨するものではありません)
GPIF保有 外国株式 時価総額TOP25

(※クリックで図表拡大します。個別銘柄を推奨するものではありません)
GPIF保有 株式総合 時価総額TOP25
国内株式と外国株式を合算したTOP25銘柄をランキング形式で表示すると以下のようになります。
(※クリックで図表拡大します。個別銘柄を推奨するものではありません)
株式総合でのTOP25銘柄のうち、15銘柄が国内株式、10銘柄が外国株式というランキングになりました。
世界基準では? 世界の株式時価総額ランキングTOP50
GPIFのデータと同時期(2026年3月末時点)の、世界全体の株式市場、時価総額ランキングTOP50を調査しました。
(※クリックで図表拡大します。個別銘柄を推奨するものではありません)
時価総額ベースでは、TOP50のうち34社(68%)が米国企業で、日本企業は0社でした。
参考として、TOP100圏内ではトヨタ自動車が57位、三菱UFJフィナンシャル・グループが86位です。
2026年3月末時点の世界時価総額Top100に入った日本企業はこの2社のみで、
TOP100社の時価総額に対して約0.86%にとどまります。
国内での知名度や存在感と、世界全体で見た企業価値の大きさは、必ずしも一致しません。
日本市場の中で見れば大型株でも、世界全体ではさらに巨大な企業群が数多く存在しているのです。
国内資産への投資は効率的なのか
GPIFは国内株式、国内債券、外国株式、外国債券に25%ずつ配分する基本ポートフォリオを採用しています。
投資対象の分散を目的にした意図だと思います。
しかし、世界基準でみると、国内株式に25%、国内債券に25%を振り分けることが、運用成果を追求するうえで本当に望ましい配分なのか、と考える余地はあるのではないでしょうか。
自分のふるさとを愛する気持ちは大切です。
日本企業を応援したいという気持ちも自然なものです。
金融の世界では、こうした「自国市場への親近感」から資産配分が国内寄りになりやすい傾向をホームカントリーバイアスと呼びます。
資産運用で投資先を選ぶ際には、その感情とは別に、世界の潮流を冷静に見る視点も必要ではないでしょうか。
GPIFの国内株式TOP25、外国株式TOP25、株式総合TOP25、
そして世界の株式時価総額TOP50を並べてみると、国内の株式が、
実はグローバル評価と異なっていることが見えてきます。
GPIFは国民の年金資産の運用です。
安定的でかつ、納得感のある投資配分を望みたいものです。
政府との関係や、国内企業の応援は重要であるものの、
国民の年金資産を安定的に増やすための、
ポートフォリオ運用が必要なのではないでしょうか?
10年で8回がマイナスリターンとなっている、
国内債券への25%の資産配分は、
良い選択だったのでしょうか?
資産配分を考える際には、世界基準を意識してみることが重要
なのではないでしょうか。
※注:今回採り上げたカテゴリーに対して売買推奨や、今後の見通しを述べたものではありません。
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