ファンドの推奨情報、信じて良い? 売り抜け目的か ハーバード大院生論文【RIA JAPAN】
S&Pが2025/09/04に「SPIVA U.S. Scorecard Mid-Year 2025」を公開しました。
2025年上半期時点での米国株式ファンドとインデックスの比較調査を行ったデータです。
年初来では約75%の米中型株ファンドが指数を上回るが、長期では逆に約8割が指数に届かない
2025年上半期の半年間では米国の中型株ファンドの25.34%が
中型株ファンドのベンチマーク指数であるS&P MidCap 400インデックスを下回りました。
年初来であれば約75%が指数よりもリターンが良かったということです。
しかし、
15年の長期運用では83.72%が、20年に広げると88.81%もの中型株ファンドが
インデックスを下回ったのです。
販売者が言いそうなセールストークがコレです。
「この半年間で74.66%の中型株ファンドがインデックスを上回った」
「今こそ、中小型株のアクティブファンドを導入しましょう」
こんな、半年程度にフォーカスしたセールストークを妄信せず、
過去の事実を見つめてほしいのです。
15年や20年の運用の歴史では、長期運用した場合には8割強がインデックスに届かなかったのです。
販売者は不都合な真実をわざわざ伝えないのです。
自分が売りたい商品のネガティブ情報を進んで伝える理由なんてありませんよね。
大型株ファンドでは20年で91.03%が指数を下回る
大型株ファンドでは更に差が顕著です。
大型株のベンチマークはS&P500です。
半年間では米国の大型株ファンドの54.31%がインデックスを下回ります。
更に15年の長期運用では88.29%が、20年では91.03%がインデックスを下回ったのです。
(データ出典:SPIVA 2025/9/4「SPIVA U.S. Scorecard Mid-Year 2025」)
2010年3月にはインデックス優位を指摘 企業研究会 BUSINESS RESEARCH 知っておくと得する、パーソナル・ファイナンス
世の中で「インデックスって何?」と言う時代だった2010年。
金融機関はこぞって、儲かる(高コストの)アクティブファンドをセールス強化していました。
しかし、ほとんどのファンドはインデックスに及ばない確率が6-7割ある事実を、
筆者はすでに発信していました。
当然ですが、販売者の証券会社などからは「目の上のたんこぶ」状態で、
これらの事実はメディアでもなかなか採り上げて貰えませんでした。
社)企業研究会「BUSINESS RESEARCH」2010年3月号には、
アクティブファンドの成績がインデックスに届かない点をお伝えしています。
高い信託報酬というコストを払っていながらも、市場の動き=インデックスを下回る投信が6~7割もある(中略)
アクティブ型投信は、市場の指標(インデックス)を上回るリターンを目指すことを目的としているのですが、(中略)約6~7割はその目的を達成できていません。
→PDFはこちらから
知っておくと得するパーソナル・ファイナンス 第6回 海外分散投資の今後の主流【海外ETFについて】
世界的に高コストアクティブ型投信→インデックス型の潮流、ETFへの資金流入続く
世界的には高コストのアクティブ型投信から資金流出し、その多くがインデックス型ETF・投信へ資金移動が起こっています。
高コスト傾向の強いアクティブ型投信を解約して、インデックス型ETFやインデックス型投信に資金が移っているということです。
(*一部アクティブ型ETFにも資金流入がある。一般的にアクティブ型ETFはインデックス型ETFよりも高コスト傾向の点には注意が必要)
データ:Investment Company Institute「2025 Investment Company Fact Book」(2025/5公開)
*データは2024年末時点、分配金再投資を含む *翻訳・一部加工:RIA JAPAN おカネ学株式会社
この画像はグラフ中央の横線より上は資金が投入、集まっているということを意味しています。
逆に、横線より下は解約や出金などで資金が流出していることを意味しています。
世界的に「アクティブ型投資信託」を解約し、主に「インデックス型ETF」や「インデックス型投信」に乗り換える動きが何年にもわたって続いていることがわかるかと思います。
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