元本確保型投信を放置しても復活しない理由【RIA JAPAN 】
NISAの対象投資信託で無いにもかかわらず、日本で残高が多い投信があります。
アライアンス・バーンスタイン(アライアンスB)・米国成長株投信Dです。
日本国内公募アクティブ型投資信託で、3兆円を超える銘柄はこれ1本だけです(2025/02/28時点)。
分配金がゼロになったことに投資家は気付いているのでしょうか?
老後の生活の足しにしようと考え、高い分配金目的の投資家にとっては、あてが外れたと言えるでしょう。
繰り返しますが分配金がゼロとなったのです。第126期分配金0円
出所:2025/03/18『収益分配金のお知らせ:米国成長株投信 Cコース/Dコース』 アライアンス・バーンスタイン株式会社
*注 特定の銘柄の分析や推奨などではありません。
実際の事例紹介の信ぴょう性を示すため、銘柄名を示したものです。
分配金の高さがセールストークに使われた?
(分配金利回り)「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 D」の30.41%
「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 D」が資金流入額で存在感を増しているのは、この分配金利回りの高さも評価されてのことと考えられる。
出所:025/01/21 Finasee編集部 『2025年も米国株高は続く!? 12月概況に見る「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信D」の人気の理由』
上記の記事によるとアライアンスB米国成長株投信 Dの分配金はランク5位の30.41%で、分配金の高さが評価されたと紹介しています。
銀行や証券会社、IFAなどの販売者は、「高い分配金が得られる投信」として、アライアンスB米国成長株投信Dのセールストークを展開した可能性があると思われます。
「みんな○○しています」に弱い日本人、国民性を表したジョーク
ある豪華客船が航海の最中に沈みだした。船長は乗客たちに速やかに船から脱出して海に飛び込むように、指示しなければならなかった。船長はそれぞれの外国人乗客にこう言った。
アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」
イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士です」
ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則となっています」
イタリア人には「飛び込むと女性にもてますよ」
フランス人には「飛び込まないでください」
日本人には「みんな飛び込んでますよ」
出所:早坂隆『世界の日本人ジョーク集』
米国人は英雄になりたがる(ノーベル平和賞を受けたいT大統領)、
著名なブランド、ダンヒルや著名映画007で紳士でありたいと願う英国人、
精密な自動車を作るドイツ人は規則を守り、
女性をみたら挨拶変わりに口説くイタリア人、
人には従わない独自路線のフランス人。
確かに、筆者が英国留学時に実際に感じた印象とおりです。
そして、日本人は協調性を重んじ、「和」を大事にする国民です。
「みんな○○しています」というセールストークに日本人は弱いのです。
この投信は日本の国内公募投信で残高3位です。(除くETF 2025/02/28時点)
そして、アライアンスBの米国成長投信Dはアクティブ型投信の中では堂々の1位です。
セールストークを想像すると
・この投信はアクティブ型投信で日本で一番残高が多いんです!
みんな買っていて、なんと3兆円も売れているんですよ!
いかがでしょうか?
みんな買っていて、3兆円も残高があって、売れている商品ならば買ってもイイかな?と思ってしまう投資家がいても不思議ではないでしょう。
配当や株主優待は決まったものではない
分配金や配当は、今回のケースのようにゼロになったり水準が変化することがあります。
分配金を得る戦略は「確実」ではなく、過信によって見込みと違うことが起こることを知っていただきたいと思います。
* 特定の会社に対する攻撃や悪意のアンチコラムなどではありません。
実際に発生している事柄を報道を引用しつつお伝えしました。
* 特定の銘柄の分析や推奨などではありません。
本コラムは信頼できると判断された情報をもとに作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。



