「オルカン」指数 MSCI ACWI 2025/2月、銘柄入れ替えで最も除外されたエリア・国は?

安東隆司

安東隆司

テーマ:所長解説のおカネ学♫

NISA口座等で「オルカン」を利用している投資家も多いでしょう。
日本では「オルカン」は登録商標となってしまっています。MSCI ACWIに連動する、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が2022/01/28に商標登録をしています。
指数の略称の登録商標が認められたことには違和感を覚えます。一方、優れたブランディングに繋がる、登録商標の活用の事例かもしれません。
今回のコラムで言うオルカンはMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)の略です。
「ACWI」としたほうが、混乱しなくて良いかもしれませんね。
代表的な全世界株指数 MSCI ACWIの組入銘柄の入替えを、MSCIが2025/02/12に発表しました。
107銘柄が除外され、23銘柄が追加されます。
2月28日の取引終了時点で実施されます。

最も除外が多かった地域はアジア太平洋 エリア毎 銘柄変動数

地域追加数除外数増減数
アジア太平洋13銘柄-59銘柄-46銘柄
ヨーロッパ・中東・アフリカ4銘柄-22銘柄-18銘柄
アメリカ大陸6銘柄-26銘柄-20銘柄

(※出所 MSCI 2025/02/12 「STPublicList」より 増減数はRIA JAPAN算出)
全体的に除外数が多い傾向です。
エリア毎に見るとアジア太平洋地域が除外数が多く、合算での増減数は-46銘柄でした。

多くの銘柄が除外された国TOP5(増減合算)

追加数除外数増減数
中国8銘柄-20銘柄-12銘柄
アメリカ4銘柄-16銘柄-12銘柄
韓国0銘柄-11銘柄-11銘柄
日本1銘柄-9銘柄-8銘柄
オーストラリア0銘柄-6銘柄-6銘柄

(※出所 MSCI 2025/02/12 「STPublicList」より 増減数はRIA JAPAN算出)
減少数上位5か国の内、アメリカ以外の4か国がアジア太平洋地域です。
アメリカはそもそも組み入れ銘柄数が多いと考えられます。
銘柄入れ替え前の2025年1月末時点で、MSCI ACWIの国別割合を見ると、アメリカは66.41%も占めています。
トータル-12銘柄であっても、比率からすると低いと思われます。
一方で日本は4.75%、中国は2.68%となっています。
日本の8銘柄減少、中国の12銘柄減少はアメリカと比較すると大きな影響になると考えられます。
今回の銘柄入れ替えでは客観的にアジア太平洋地域の地盤低下が現れた形になっています。

インデックス投資でゾンビ企業が生き残る訳ではない

とあるセミナーで、インデックス投資はゾンビ企業を延命させる。アクティブ投資を活用すべき、といった論調がありました。

インデックスによっては、今回のように入替えが行われ新陳代謝が働いているケースがあること、
選択するインデックスによっては厳選された銘柄になっていること

を投資家の皆様には理解してほしいと思います。

関連記事 2024年11月には日本株1銘柄追加、8銘柄除外

かつて、2024/11/25にもMSCI ACWIは銘柄入れ替えを実施しました。
その時には全世界で22銘柄が追加され、57銘柄が除外されました。
日本株は1銘柄が追加、8銘柄が除外されました。
世界株指数から見ると日本の国力低下が懸念されます。
2024年11月のMSCI ACWI 銘柄入れ替えの詳細は下記リンクにて解説しています。
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5177873/

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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

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