長期運用では9割が世界の指数に届かない?アクティブ型運用の現実とリスク 投資初心者が知らなかった資産運用

安東隆司

安東隆司

テーマ:投資初心者

(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、3年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第147回目になります。
今回はアクティブ型運用について執筆いただきました。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
こぼれる水
********************
インデックス運用は投資家にとって嬉しい側面を沢山持った運用方針でした。
(* 前回投資初心者さんが執筆したインデックス記事はページ下部よりアクセス可能です)
一方、インデックス運用を上回る成績を目指す運用方針があるなら素晴らしいと思いますよね。
実際にアクティブ運用を勧める証券会社もいるでしょう。
では、本当にアクティブ運用の方がいいのでしょうか。

アクティブ型運用とコスト

そもそもアクティブ型運用とは、何でしょうか。
簡単にいえば指数を上回ることを目的とした運用方法です。
インデックス型運用は指数との連動を目的としています。
ここが大きな違いですね。
アクティブ型運用は指数を上回ることを目的としているため、一見、良さそうに見えるかもしれません。

問題はコスト
コストは利益を押し下げます。
利益が出ても手数料で持っていかれるからです。
アクティブ型運用はインデックス運用よりも手数料が高く設定される傾向があります。
アクティブ型運用では、個別の情報を知らないといけないですよね。
そうなると調査などが増える傾向があります。
インデックス型運用と比較すると、信託報酬が1%以上も違うことがあるのです。
リターンが出たとしても、コストが食ってしまい、結果元本割れする可能性もあるのです。
これではもったいないと思いませんか?

アクティブ型の9割は世界のインデックスに届かない!?

信託報酬に1%の差があるなら、利益が1%以上高ければいい。
確かにそれもまた事実ですが、そんなうまくいかないことも大いにあり得ます。

多くのアクティブ型運用は世界的なインデックス型運用よりも成績が低い。
この事実がデータとして存在するからです。
日本ではあまり報道されていない話ですが、S&P ダウ・ジョーンズインデックス社が公表しているデータがあります。
アクティブ型投信の運用結果が目標とする指数と運用成績を比較してみましょう。
残念ながら、10年という長期間では約8割が届いていないのです。
下の図表は2023年12月31日時点でのアクティブ運用ファンドがベンチマーク(比較対象の指数)に届かなかった割合を示しています。
言い換えれば、
アクティブ型運用が、それぞれのベンチマークに対して、
成績が悪かった割合を発表しています。


データ:2024年4月24日 『SPIVA日本スコアカード(2023年末版)』より 作図RIA JAPAN

外国株では9割以上が成績悪い

また、新興国株指数・世界株指数・米国株指数の10年成績と比較しているデータも掲載しています。

データ:2024年4月24日 『SPIVA日本スコアカード(2023年末版)』より 作図RIA JAPAN
新興国株式、世界株式、米国株式カテゴリーでは、長期運用時、日本のほとんどのアクティブ型ファンドが指数の成績に届かないのです。
それでもアクティブ型に投資したいと思うでしょうか?

メリットが多い低コストインデックス運用

ベンチマークに負ける確率が高い上に、ムダなコストが増えていく。
コストは、利益を押し下げ、最終的リターンは小さくなる。
低コストのインデックス型運用は、アクティブ型運用よりデメリットが少ないと言われる理由がわかる部分でした。

********************
(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、アクティブ型について執筆いただきました。
前回執筆のインデックス型記事はこちら https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5174599/
世界ではアクティブ型を解約し、インデックス型へ移行する流れがどんどんと加速しています。
RIA JAPANでは低コストのインデックス運用を広げるべく様々な情報を発信してきました。
下記のリンクより発信してきたコンテンツが閲覧可能です。

関連記事

・ダイヤモンドオンライン
 アメリカの運用トレンドアクティブ運用は解約してインデックス運用へ
・著書「お金を増やすならこの1本から始めなさい」
 P166よりアクティブ型からインデックス型へ世界的な潮流であることを解説しています。
 「お金を増やすならこの1本」Amazon販売ページ
・著書「NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!」
 P76にてアクティブ型運用について解説しています。
 NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!Amazon販売ページ
・YouTubeチャンネル「所長解説のおカネ学」
 世界の時流のインデックス運用とは?【トクするおカネ学】

・マイベストプロ
 資産運用で聞く 「アクティブ型」と「インデックス型」って?
 日本のアクティブ型約8割はインデックスより成績悪い。注意すべき「新設ファンド」の裏側のカラクリ

繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第147回目)。

※本コラムは特定の有価証券又は金融商品を勧誘するものではありません。また、特定の資産クラスに対する今後の方向性を保証するものではありません。

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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

安東隆司プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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