地元愛から来るガラパゴス運用とは?投資初心者が知らなかった資産運用

安東隆司

安東隆司

テーマ:投資初心者

(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、3年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第133回目になります。
今回はガラパゴス運用について執筆いただきました。
本記事ではガラパゴス運用を解説するにあたり、代表的な全世界株式の指数データ等を一部用いますが、記事内で個別の銘柄・地域を推奨するものではありません。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
********************

地元に対する感情は特別だと思います。
誰にでもある感情で、日本が好きというのもあるでしょう。
みんなよくわかる感情だとは思いますが、資産投資の世界では、少し危険な感情になるかもしれません。

独自進化のガラパゴス

日本の人が投資をするとしたら、多くの人は(*注)日本の企業を選びませんか?
絶対に間違いというわけではありません。
ですが、本当にそれでいいのか?という疑問を持たなければいけないでしょう。
世界から見ると、あまりにおかしな選択に映るからです。
これを「ガラパゴス運用」といったりもします。

ガラパゴスとは、生物が独自進化を遂げているエクアドルの島のこと。
大陸側の進化とは全く異なる独自進化を遂げたことから、いろいろなものにガラパゴスの名前がつきました。
スマホに対する日本のガラケーも、実はガラパゴス携帯という意味があります。

投資の場合、国際的な基準とはかけ離れた状態といえるでしょう。

投資の対象は成長している市場のはず

なんでガラパゴス運用と呼ばれると思いますか?
投資の世界もいろいろと広がりを見せますが、対象となるのは成長しているかどうか。
投資するからには「成長が見込める投資先に投資すること」は当たり前といえますよね。
成長が見込めない投資先に投資したいとは思いませんよね。

では、企業に置き換えてみましょう。
日本の企業は世界の中心といえる成長をしているかというと、そうとはいえないかもしれません。

全世界の株式に投資をする「MSCI ACWI」という指数があります。
MSCI ACWIでは、時価総額で日本株が占める割合は約5.46%しかありません。
(2024年3月31日時点)

更に、2024年5月にはこのMSCI ACWIから、日本企業が一部除外されることが発表されました。
(* 日本株は15銘柄が除外、1銘柄が追加。2024/05/31の取引終了時点で実施。日本以外でも追加・除外があった。詳細は記事下部の関連記事にて解説)

IT関連で、検索エンジンのトップは残念ながら日本ではありません。
アメリカの企業です。
意外と知られていませんが、1位のシェアは圧倒的な90%越え*。
(* Statcounter search Engine Market Share Worldwide April 2024データより、第1位は約90.91%)
世界的にさまざまな業界の再編も進み、成長企業は残念ながら外国企業が多い。
これは紛れもない事実なのです。
日本も頑張ってはいますが、世界は広いのですから、世界の中心企業が日本だけとはいえないのです。
(* 特定の銘柄、特定の分野や国・地域、テーマについて推奨するものではありません)

投資先はガラパゴスでいいのか?

日本が好きだから、日本市場に投資するのがいいのでしょうか。
スマホを見てください。日本の製品ですか?
昨今はアメリカ製や中国製が大半を占めています。
国内メーカーが製造・販売しているスマートフォンも、
中心的プログラムであるOSは、ほとんどが2種類の内どちらかです。
その2種類は、どちらもアメリカの企業が提供するプログラムです。
これはスマホに限らず、パソコンのOSも2大OSといわれるものは、どちらもアメリカ企業のものですよね。

投資先としても、日本が大好きだからガラパゴスでいいのでしょうか。
地元愛・郷土愛を持つことはとても大切なことではありますが、
投資先としては、考え直さなければいけないこともあるでしょう。

地元愛と投資は別物、と考える必要があるのではないでしょうか。

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(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、ガラパゴス運用について執筆いただきました。
*注 投資先で日本の企業を選ぶ :この内容についてRIA JAPANが発信してきたのは、「オルカン」や「低コストインデックスファンド」のブームの前からのことです。
2024年NISA開始と共に、日本の公募投信の上位にMSCI ACWIをベンチマークとした、オルカン(オール・カントリー)が入ってきました。
MSCI ACWIを選ぶ日本の投資家が増えてきたことはRIA JAPANの、ガラパゴス運用を避けるべき、というメッセージと重なる、広範囲な投資が広まってきた内容です。

後述のダイヤモンド社でのコラムでの、オールカントリーデータは2019年7月のデータでした。約5年前の発信内容でした。
そして日本でインデックス投資や世界株式への分散投資がこの5年で広がってきたことは、嬉しい事柄です。
RIA JAPANがこのトピックについて発信してきた内容を紹介します。

関連記事

・マイベストプロ コラム 
 「オルカン」ACWI、銘柄入れ替え121銘柄除外、除外銘柄日本は?中国は?インドは?米国は?
・ダイヤモンドオンライン
 日本が世界の株式市場に占める割合は、約7~8%にすぎないって知っていますか?
 アメリカの運用トレンド アクティブ運用は解約して インデックス運用へ
 2ページ目にて9割以上のアクティブ型投資信託がインデックスより成績が悪い事例を解説しています。 
・著書「NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!」
 P240以降にて日本の資産運用がガラパゴス化していることを解説しています。
 NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!Amazon販売ページ
・著書「お金を増やすならこの1本から始めなさい」
 P137以降にガラパゴス化について解説しています。
 「お金を増やすならこの1本から始めなさい」Amazon販売ページ
・知ってトクするおカネ学 公式YouTube動画
 ガラパゴス運用についてYouTube動画でも解説しています。



繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第133回目)。

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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

安東隆司プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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