世界ETF本数、10,826本に増加。資産規模は約2,073兆円に。17年で資産規模約22.22倍に拡大
2024年3月末時点のETF(上場投資信託)の世界残高が12兆7050億ドルへ増加して過去最高となったことが日本経済新聞にて報じられています。
この金額は日本円に換算すると約2000兆円とも報じられており、
2018年末から2024年3月末までの約5年間で残高が約2.6倍へと増加したことも報じられています。
出所:2024年5月14日 日本経済新聞 『世界のETF膨張、過去最高2000兆円 単一株組み入れも』
世界全体の株式投信の過半数がインデックス型へ
2024年4月19日には日本経済新聞朝刊にて、世界中の株式投信の残高を調査した結果が報じられています。
その内容は(2024年)『3月末時点でパッシブ型(インデックス型)の残高は15兆ドル(約2300兆円)と1年間で28%増えた。一方のアクティブ型は12%増の14兆ドル弱にとどまった。』というものです。
(2024年4月19日 日本経済新聞 「指数連動型、投信の過半に」より一部抜粋)
資金流入が増えるインデックス型・資金流出が続くアクティブ型
2023年時点での世界のファンドの資金流出入をグラフで見てみましょう
この画像ではグラフ中央の横線より上は、資金が投入された金額の累計です。
逆に、横線より下は解約や出金などで資金が流出した金額の累計です。
「アクティブ型」を解約し、「インデックス型」、とりわけ「ETF」に乗り換える動きが何年にもわたって続いていることがわかります。
ETFは投資家にとってメリットが多い。なのになぜ日本で知られていないのか
ETFは多くの投資信託よりも低コストです。
しかし、ETFは日本では金融機関から勧められることが少ないのです。
理由は、
投資信託では販売者に手数料が支払われているのですが、
ETFでは販売委託料がゼロなのです。
以下のような事象が考えられます。
・販売手数料の一部を受け取る、販売者は自分にキックバック(収益還元)のないETFは顧客に勧めない。
・顧客の低コスト運用よりも、販売者としての立場が重要だ。
ほとんどの金融機関の担当者は、「販売のプロ」であっても、
「資産運用のプロ」ではないことがほとんどなのです。
販売者との取引で注意すべきこと
販売者の収益は、金融商品の手数料収益を始めとして、
金融機関から支払われています。
金融機関に利益のある、
高コスト商品や売買頻度を増やすことで、販売者の収益が増える
仕組みなのです。
注意点は、資産運用をする投資家の運用コストが大きく膨らみ、資産が目減りしやすくなることです。
大きな問題となった「仕組み債」の問題も、販売者の収益追求が、ひとつの要因であったことは間違いないでしょう。
リスク許容度の低い顧客にも、仕組み債販売を行った販売者の倫理観。
販売者を信じて良いのか、改めて問われています。
顧客との利益相反が少ない「フィーベース型」とは?
フィーベース型という報酬支払い方法があります。
契約残高×報酬率 という形で報酬を支払うものです。
契約資産残高に連動して報酬額が決定されます。
高コスト商品のアドバイスをする理由がなくなり、
本当に必要な商品を必要なタイミングでアドバイスすることが可能となるのです。
他にも、イギリスなど、世界中で手数料(コミッション)受取りが制限され始めています。
世界的に手数料ビジネスからフィーベース型へのシフトが進んできているのです。
しかし、日本の状況をみると、投資助言業登録は996事業者*しかおりません。
その中でも助言業専業の事業者は410事業者*しかおらず、日本での知名度は高いとは言えないのが現状なのです。
*金融庁公表データ2023年7月末時点より。重複除くデータはRIA JAPAN調べ
近年金融庁では「顧客本位の業務運営」を普及すべく金融機関に働きかけを強めています。
フィーベース型ビジネスは、投資家が運用成功し契約残高が増加することでアドバイザーの報酬も少し増える仕組みです。
つまり、WIN-WINの関係が築きやすい構造といえるでしょう。
資産運用で相談相手を探している人は、事業者の収益がどのように発生しているのか、その仕組みについてを知ってほしいと思います。
その上で、あなたが信頼できるアドバイザーを見つけてほしいと思います。
東証マネ部!にて日本のRIA事業者を初の採り上げ
東証マネ部!にRIA JAPAN代表 安東隆司のインタビュー記事が公開されています。
日本のRIA事業者が東証マネ部!に採り上げられたのは初めてのことでした。
東証マネ部!「対価をもらうからこそ、顧客の立場でアドバイスができる」。RIA(投資助言業)のメリットとIFAとの違いとは
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