投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
日本でブームの「オルカン」はMSCI ACWIに連動するインデックス型投信です。
ACWIはAll Coutry World Indexの頭文字で、世界の株式インデックス(指数)です。
オールカントリーなので、「オルカン」と業界関係者も略称で呼んでいました。
現在はある1本の投信の登録商標にもなっていますが、以前からオルカンがACWIを示す略称でした。
MSCIはその指数を作っている会社です。
そしてインデックス型運用はパッシブ型運用と同意語です。
世界投信残高でインデックスがアクティブを上回った
ETFは上場投資信託のことです。
投資信託ですが、上場しており、透明性が高く、低コスト傾向があります。
そのETFを含んだ投資信託カテゴリー全体で、
インデックス型の残高がアクティブ型を上回りました。
インデックス型 15兆ドル
アクティブ型 14兆ドル弱
出所 日本経済新聞 2024/04/19 『指数連動型、投信の過半に
世界残高、アクティブ型上回る 低コストで個人資金流入』
日本での計数発表は、「除くETF」で集計しているケースが多く見られます。
しかし、世界では運用ツールとしてのETFの勢力拡大が続いています。
今回のデータは調査会社モーニングスター・ダイレクトのデータを基に、2024年3月末時点の調査データとのことです。
なぜインデックス型が拡大し続けているのか
この記事によると、インデックス型拡大の理由は
- 低いコストで分散投資ができる
- アクティブ型でインデックスを上回ったのは10年間で 米国大型株13%、欧州8%、日本15%
- 米国でRIAがインデックス型を勧める動きがある
といった内容でした。
日経新聞で採り上げられた、RIAって何?
「米国では個人が金融アドバイザー(RIA)の助言を受けて投資判断することが多い」と話す。顧客の運用資産を長期的に安定して増やすことが自らの収益につながるRIAにとって「低コストかつ市場全体の成長を享受できるパッシブ投信を薦める動機がある」と話す。
出所 上記と同じ
日本の大手証券系の研究所にインタビューをした内容が引用されています。
RIAとは、Registered Investment Adviser の略称で、米国の公認投資助言業者の職業名称のことです。日本では投資助言業等がこれに当たります。
RIAの中には、販売者でない、中立な立場で銘柄をアドバイスする事業者が存在します。
販売をしない立場では、顧客の資産増加につながるアドバイスが優先されます。
コストが低く、アクティブ型に成績が勝る可能性が高い、インデックス型を選択するケースが多いということでしょう。
低コストのインデックス型が世界中で運用のツールとなってきています。
日本でもようやく、インデックス型のメリットが認知されるようになってきました。
2021年9月30日時点で、インデックス型がTOP10の第9位に入ったことは、10数年ぶりの出来事でした。
2024年2月の国内公募投信の残高ランキングで、
1位2位4位5位が、インデックス型投信になっていました。
2021年以後、日本でもインデックス型の人気が増加していることは、喜ばしいことだと思っています。
※本コラムは特定の有価証券又は金融商品を勧誘するものではありません。