投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
政府の個人情報保護委員会がLINEヤフーに「情報管理の改善を求める勧告」を2024/03/28に行いました。情報流出の規模は52万件です。
LINEヤフーを巡っては2021/03にも個人情報の管理を巡り問題が起き、総務省が行政指導をしています。
私がSNSを利用しない理由、お客様の情報漏洩リスクを考える
筆者や経営会社は、LINEを利用していません。
また、SNSも基本的に活用しておりません。
あるSNSでは、Fさんの画面に、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんが「知り合いかも」と表示されます。
これは共通の知り合いがいたり、学歴・職歴・組織などの共通点があると表示されるとされています。
しかし、自分が、「知り合いかも」に完全に表示されないようにする設定はありません。
筆者は「Fさんと友達である」という情報は重要な情報にあたると考えています。
見知らぬ多くの人に、この情報がダダ漏れするならば、
このSNSの利用は止めるという選択もあるのではないでしょうか?
あなたが著名人だったら、自分の情報がダダ漏れになることを、避けたいとは思いませんか?
プライベートバンカーが職場で顧客名を「イニシャル」で呼ぶ理由
職場で「Fさん。*スティーブ・ジョブズさんから電話です」と言っていた所に遭遇すれば、スティーブ・ジョブズさんはFさんのお客様なのだということが知れ渡ることになります。
注* 著名人の一例ということでお名前を出しただけで、他の意図はありません
オフィスの清掃でたまたま立ち会った人にも、これらの事実は知れ渡ります。
人の口には戸を立てられないのです。
筆者が以前、欧州系のプライベート・バンクに勤務していた時には著名人、有名人を含め顧客からの電話を取次ぐ際には、名字では無くイニシャルで取り次ぎをするルールをアシスタントやパートナーと共有していました。真のプライベート・バンカー、金融執事であろうとする者は顧客情報にも細心の注意を払っています。
現在の経営会社においても、このルールは徹底されています。
一方、日本の企業では飲んだ席で、お客様の情報を同僚と話すようなことが、日常的に行われていました。こんな事は行うべきではないのです。
著名ファンドマネージャー発言、富裕層の情報管理意識が理解されていない事例
日本の著名ファンドマネージャーが、あるセミナーでこんな内容の発言をしました。
SNSに引っかからない人は怪しい。
過去に何かあったことを削除しているのでは?
疑ったほうが良い
詐欺師などが過去の過去の経緯を消したケースを想定しているのでしょう。
SNSの検索でヒットしない人は信用に値しない、といった見解でした。
有名人やVIPを顧客に抱える、欧州系のプライベート・バンク経験者ならば、
顧客情報を守るためにSNSを積極的に活用しないケースもあるのです。
また、名刺の社内共有も便利かもしれません。
しかし、Fさんと名刺交換した、あなたの名刺の情報が、望んでいない人々にも勝手にされてしまう可能性があるのです。
著名人やVIPを担当する者の情報管理においては
SNSや名刺管理ツールをあえて使わない
という選択肢だってあるのです。
富裕層向けのサービスを経験していない人からすると、SNSを利用しない事は想像できない事柄なのでしょう。
「Aさんも私の顧客なんですよ」真の富裕層担当ではあり得ない
ある芸能人が賃貸マンションを探すにあたり、「このマンションには芸能人は住んでいますか」と聞くといいます。その不動産業者が誇らしげに「○○さんが住んでいます」という発言をした場合には、その業者とは取引をしないということです。
その理由は、自分がそのマンションに住んだ時にはその業者が「私が芸能人○○にこの物件を紹介して、今住んでいる」という営業トークに使われてしまうためです。芸能人や著名人の顧客情報を使って営業トークを用いる者には、あなたの情報も営業トークに使われると考えた方が無難でしょう。
お客様を大事にしない、情報に気を遣わない担当者との取引は避けた方が無難でしょう。
(ほこりを被った高級車の画像はイメージ図で本文とは関係がありません)
■隣の担当者が誰を担当しているか明かさない守秘義務、イニシャルも使用
欧州系のプライベート・バンキングに勤務していた時に、隣のバンカーが担当している顧客の名前をフルネームで語ることはありませんでした。同僚と親しくなったとしても、夜の宴席でもお互いに顧客の名前を語ることはありませんでした。
ある時に日系企業から転職してきた「営業員」が顧客名を誇らしく語り、「○○が客で」との話題がのぼったことがありました。お客様を「客」と呼ぶ姿勢にも違和感を覚えましたが、情報管理の重要性に気付いていない営業員だとの印象を持ちました。
「有名人」「著名人」の情報を明かすような行為を、志の高いプライベート・バンカーや、金融の執事は行わないと筆者は考えています。文章やSNSでそれとわかるような表現はしない者が、顧客の情報管理をハイレベルで考えている者の心得だと思うのです。