個人資産形成におけるフィナンシャルアドバイザーの重要性とは?S&P主催第15回ETFコンファレンスでの単独公演動画が公開中

安東隆司

安東隆司

テーマ:所長解説のおカネ学♫

2024年春に官民一体となった機構である金融経済教育推進機構が設立予定となっています。
学校や企業等の幅広い範囲で金融経済教育を推進する機構です。
さらに、機構では顧客の立場に立った「認定アドバイザー」を認定し、リスト化・公表するとしています。
今後、中立な立場のフィナンシャルアドバイザーの重要性が高まるものと考えられます。

2023年4月5日にS&P主催の『第15回ETFコンファレンス』にて、フィナンシャルアドバイザーの重要性について、RIA JAPAN代表の安東隆司が単独講演を行いました。
講演の動画がS&Pより公開されています。
https://share.vidyard.com/watch/wpDa1cwfjWMXvJLTytFRET
本コラムでは講演要旨を公開します。
個人資産形成におけるフィナンシャルアドバイザーの重要性について

アドバイザーの重要性と中立性

・個人投資家はもちろん、法人にとってもアドバイザーは重要
・顧客にとって良いアドバイスをするアドバイザーが必要
・2024年に設立される「金融経済教育推進機構」で中立アドバイザーの見える化が検討されている
・言い換えれば現在の日本は「中立でないアドバイザー」が多く存在している

アドバイザーと販売者の区別

・アドバイザーの定義、アメリカでのアドバイザー事情
・銀行実務2023年2月号寄稿テーマ「顧客本位をハイレベルで実現するには~中立で信頼できる助言業者の日本での確立~」
 ※編集注:本記事の下部に該当記事全文PDFへのリンクを記載します(発行者許諾済)
・アメリカではアドバイザーと販売者が明確に区別されている
・日本では販売者・金融商品仲介業者は、証券会社の収益を一部を受け取るケースがほとんど
・このコミッション型は「頻繁な売買」「高い手数料の商品販売」が高い収益に繋がる特徴がある
・コミッション型ビジネスでは運用コストで顧客との利害が逆方向=中立アドバイザーと言えるのか?

・日本の「IFA」は証券外務員型、アメリカの販売者「IC」とほぼ同じで、証券の営業部門
・アメリカの「RIA」やイギリスの「IFA」は証券から収益を得ず、顧客からアドバイスフィーを受け取る
・顧客からアドバイスフィーを受け取るフィーベース
・フィーベースでは顧客の資産増加=アドバイザー報酬若干増加のため、低コスト運用助言によるWIN-WIN実現も

・RIAとは登録された投資のアドバイザーで、日本では投資助言業等がこれに当たる
・アメリカではRIA登録をしている者だけがアドバイザーと名乗れる

アドバイザーの付加価値・アドバイザーのアルファ

・アドバイザーの付加価値、アドバイザーのアルファについて紹介
・一例:相場急落時に動揺した投資家に「投げ売りをしない」よう冷静にアドバイスする「行動コーチング」など
・ラッセル・インベストメントが行動コーチングには4.91%の価値があると公表。バンガードやエンバストネットも約3%の価値があると公表
・アドバイザーの価値はこのほかにも様々な要素がある

企業の年金運用とアドバイザーの重要性

・企業は企業年金の運用責任を問われる時代に
・専門家を揃えた運用体制が必要だが、経理担当者が運用のプロという事例はほとんどない
・専門家であるアドバイザーの知見を活用する重要度が上昇

アドバイザーと顧客の信頼関係

・アメリカの調査によると、アドバイザーから助言を受けている個人投資家の63%が、アドバイザーの転職についていく意向
 ※出典:J.Dパワー 2021年米国個人資産運用顧客満足度調査結果より
・金融機関のブランド力でなく、アドバイザー個人の信頼で顧客と結びついている
・外資系ではマネジメントよりプライベートバンカーの存在が重要視

信頼されるアドバイザーのポイント

・顧客本位で顧客の利益を最優先に考える
・非課税制度を効率的に活用するなど、「資産の置き場=アセットロケーション」を考える
・初心者の資産形成では「低コストのインデックス型」が選択肢に
・世界的にアクティブ型を解約し、インデックス型に資金流入が続く
・とりわけETFの規模拡大が大きく、世界の投資家ツールとしての重要度が増加
・ETFなど優れたツールを活用できることが、信頼されるアドバイザーの要素の一つ
・2、3年での転勤がなく長期にリレーションを構築できることが重要

顧客に寄り添うアドバイザーに相談するメリットは

・世界一のプレイヤーにもコーチやアドバイザーがいる。
・顧客に寄り添うアドバイザーに相談することで複数のメリット享受
・プロの知見を手に入れられる
・投資家の代わりにマーケットを注視
・突発事項への対処方法をコーチング
・自分が「その道のプロ」になるには時間と費用がかかり、必ず達成できるとは限らない
・病気やケガで専門医(プロ)へ相談して解決できる事例がある。
・その分野のプロには様々なノウハウが蓄積、プロの知見が重要な場合も
・アドバイザーがどうあるべきなのか、投資家や金融機関など幅広く考えることが必要

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参考資料

講演資料公開中

講演にて使用した資料が公開中です。
下記リンクより閲覧が可能です。
https://ria-japan.co.jp/wp-content/uploads/2023/04/20230405-presentation-day2-1150-role-and-importance-of-financial-advisors-for-aset-building-for-individual-investors-jp.pdf

補足資料 銀行実務2023年2月号寄稿記事

アドバイザーの区別について解説時に登場した「銀行実務」の該当記事が全文PDFにて公開されています(発行者許諾済み)
「銀行実務」2023年2月号寄稿記事
「顧客本位をハイレベルで実現するには~中立で信頼できる助言業者の日本での確立~」
https://ria-japan.co.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230201ginkojitsumu.pdf

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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

安東隆司プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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