重要情報シートでも為替手数料は説明されない? 2020年にFinCity.Tokyoにて提言した内容は?
マネックス証券はNTTドコモの子会社になることを2023年10月4日に発表しました。
約485億円の出資を受け、「ドコモマネックスホールディングス(仮称)」という共同出資会社の設立見込みです。
マネックス証券が株式移転する中間持ち株会社の、49%の議決権をドコモが保有し、ドコモの連結子会社となる予定です。
また、楽天証券とみずほ証券は資本業務提携を既に発表しています。
ほぼ1年前の2022年10月7日、みずほ証券が楽天証券の普通株式の19.99%を取得を発表しました。
最近の報道では、金融仲介の新会社を作り、2024年にサービスを始める見込みです。
顧客の囲い込みには経済圏保有会社が有利
多くの取引先を持ち、「経済圏」を持っているドコモや楽天といった企業との提携を模索する動きが活発です。
背景には、「日本株の手数料無料化」競争があります。
SBI証券が口火を切った手数料無料競争は、2023年10月から実際に全面的に始まりました(外国株式などは無料でない場合が多い。またIFA管理口座は対象外の場合も)。
店舗網などの固定費が安く筋肉質の経営を行う、ネット証券のシェア拡大と既存ビジネスの生き残りを賭けた戦いとなりそうです。
競争激化で生き残りを賭けたネット証券業界3位のマネックスが、ドコモ経済圏の後ろ盾を手に入れる提携となるでしょう。
日本の金融業界の不足するピースは?
金融先進国のアメリカで起こっていることが、10年単位遅れて日本においても起こってくることが見受けられます。
アメリカで起こっていた事柄
手数料の無料化
情報開示ルール
アドバイザーRIAと仲介業者IC(日本でのIFA*)の区別明確化
これらがどのくらい遅れて日本で実現されるのか興味深いところです。
*注 日本のIFAでも一部RIA(投資助言業)を兼業する事業者もある
誤解が多い、「独立系」「アドバイザーIFA」
「独立系金融アドバイザー(IFA)」という表現を時々見かけます。
近時は、金融に詳しい記者やライターはこの表現を避ける傾向にあります。
少々込み入った話になりますが、補足説明をしたいと思います。
米国や世界でのアドバイザーは?
米国などでは「アドバイザー」と名乗ってよいのは、RIA登録を受けた事業者だけです。
RIAは「登録を受けた投資アドバイザー」の略で職業名称です。
一方、IFAでRIA登録(日本での投資助言業登録)を受けていない者は米国ではアドバイザーとは名乗ってはいけないルールになっています。
米国ではアドバイザーはRIAのことで、IFAを示すものではありません。
日本のIFAは金融商品仲介業
日本でのIFAは金融商品仲介業です。
証券会社などに仲介をする、販売者です。
所属の金融商品取引業者の登録をしています。
証券会社に所属しているのですから、独立系という表現には疑問が残ります。
特定の証券会社の社員でないことが経営的に独立している、ということなのでしょう。
投資助言登録を受けていない日本のIFAは、米国基準ではアドバイザーではありません。
そして、証券会社などの販売を行うIFAは、中立な立場のアドバイザーとは限りません。
低コストのETFやインデックス型投信以外の商品販売がメインビジネスになっているケースが多いのです。
販売を行うFAと兼業のRIAは利益相反を伴う
FAとRIAを兼業する事業者も日本で少数出現しています。
しかし、RIAや投資助言が顧客と利益相反を極力抑える目的ならば、専業を選択した方が無難と考えます(私見)。
金融商品仲介業FA(IFA)事業は「高いコストの商品販売」「売買手数料」で収益があがるのです。
安くで買って、その後売買をしない「BUY & HOLD」といった長期投資の理念を実現できない可能性があるのです。
金融に詳しいライターはIFAを「金融商品仲介業者」と記載する
金融に詳しい記者やライターは、IFAでなくFAという表現を使います。
独立系を示す「I」が日本の投資家に誤解を与えるケースを危惧しています。
またFA:金融商品仲介業者 といった紹介をします。
資産所得倍増気運、高まる
いずれにしても、資産形成に注目する企業が増えていくことは、「資産所得倍増」を実現するには良いことだと思います。
今後も、生き残りを賭けた業界再編が加速していくのではないかと考えています。
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