旬のテーマ型が落とし穴? 一過性のテーマ型投信に潜む「販売者側」の理論 投資初心者が知らなかった資産運用

安東隆司

安東隆司

テーマ:投資初心者

(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、2年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第94回目になります。
今回はテーマ型投信について執筆いただきました。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
********************
テーマ型ってみなさん知っていますか?
気が付いていないと、このテーマに乗せられている。乗っているかもしれません。
それがすべて間違いというわけではありませんが、知らなければ沼に落ちることもあり得ます。
イメージ戦略の怖さ。しっかりと見据えると、よくわかってきます。

テーマ型とは?

そもそもテーマ型とはなんでしょうか。
最近だとインドをテーマにした投資の話を聞くことはありませんか?
「投資先としてインドが人気なんです!」「インドの成長率ってすさまじいんですよ!」
そういわれると、確かにそうかもしれないって思いますよね。
このような特定のテーマに沿った投資信託はテーマ型投信と呼ばれています。
インドをメインにおいているのは、現在成長率が高いから。
そして目につきやすいテーマだからです。

テーマ型のほとんどはアクティブ、アクティブは9割がインデックスに届かない

では、どうしてテーマ型に注意しなければいけないのでしょうか。
ここで注目すべきポイントがあります。
それはアクティブ型の9割はインデックスに届かないことです。
テーマ型のほとんどは、沢山ある銘柄の中から絞り込んで狙っていくアクティブ型運用にあたります。
一方、アクティブ型の対極の存在として、市場平均に沿った値動きをするインデックス型があります。

そして、長期の運用ではアクティブ型の約9割がインデックス型に届かない*というデータがあるのです。
しかし、セールスする販売者はそんなことを伝えてくれません。
場合によってはそんな事実を知らずにセールスしている担当者もいるかもしれません。
(*アクティブ型とインデックスのパフォーマンス比較詳細については記事下部の関連記事より閲覧可能です)

旬が過ぎたらもう終わり?ブーム終了後の「乗り換え」に注意

1~2年でテーマが変わりやすい点にも注意しなければいけません。
世界情勢の揺れ動きに影響を受け、これまでのテーマが破綻することがあるからです。
インドだって高い成長率を10年単位で維持できるかなんて誰にもわかりません。

例えば、2020年ころには「破壊的イノベーション企業に投資する」と謳った商品や、
世界中のフィンテック企業に投資するテーマ型投信がブームになりました。
しかし、およそ3年ほどたった2023年時点ではピーク時の価格の半分程度まで落ち込んでいます。

金融機関側の利益のために

あるテーマの旬が過ぎると、販売者はテーマ型投信を持っている顧客に新しいテーマ型への乗り換えを勧めるパターンがあります。

「これからの時代は○○ですよ」というようにセールスし、成績の悪くなった投信を売り、新たなテーマ型投信を買わせる手法です。
この手法は”回転売買”といいます。
回転売買は売買する度に手数料が発生します。
その手数料は販売者サイドの儲けに繋がります。
一方、投資家サイドはコストが増大した分、リターンは押し下げられます。
折角のリターンが減るだけじゃなく、元本を割ってしまう可能性も考えられるでしょう。
コストが増えればそれだけ利益圧迫するからこそ、長期の低コスト運用が投資のカギだといわれているのです。

全てのテーマ型が悪いわけではありません。
しかし、現状は「販売者の売りやすい」「稼ぎやすい」商品としてテーマ型投信が使われがちです。
知っていなければセールスに乗せられて買ってしまうかもしれません。
しかし、そのリスクを知っていることでフラットな視点で向き合うことができる。
知識を持っていることでトクすることもあるんです。

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(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、テーマ型について執筆いただきました。
RIA JAPANではこのトピックについて特に2020年以降、多くのコンテンツにて発信してきました。

関連記事

・週刊SPA!コメント掲載
 「買うと損する金融商品」に代表、安東隆司コメントが掲載されました。
 週刊SPA!「買うと損する金融商品」に安東隆司コメント掲載 テーマ型投信・毎月分配型投信・新興国通貨建て債券・ファンドラップ等
・日経CNBC 朝エクスプレス マーケット・レーダー
 有料経済チャンネル 日経CNBCにて解説しました。アーカイブが無料にて90秒閲覧可能です。全編は日経チャンネルマーケッツ契約者のみ閲覧可能です。[/太字]
 金融機関は教えてくれない コストの秘密【投資信託編】 (7:40付近より)
・マイベストプロコラム掲載
 流行りに振り回されない資産運用① テーマ型から見る日本の回転売買ビジネスとは

繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第94回目)。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
本記事は信頼できると判断された情報等を基に作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。

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安東隆司
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安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

安東隆司プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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