投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
「アクティブ型の株式ファンドは88%がインデックスより成績が悪い」
世界最大級の格付会社として著名な、S&Pが2023/07/13(日本時間。現地07/12))に『SPIVA Institutional Scorecard Year-End 2022 』を発表しました。
販売者が顧客に勧めるファンドには「アクティブ型」が多いでしょう。
アクティブ型はコスト高傾向があり、販売する人にとって儲かる商品である場合が多いのです。
しかし、10年運用した成績はインデックスに88%が劣るという事実は、販売者から語られることは、まずないでしょう。
アクティブ型とは?おさらい
運用のスタイルを2種類に分けると
- インデックス型 ・・・対象とするインデックス(指数)に連動する運用。運用にかかる費用が低い傾向がある。パッシブ型とも呼ばれる
- アクティブ型・・・目標とする指数(ベンチマーク)を上回る運用を目指す運用。運用にかかる費用が高い傾向がある
株式型ファンドでは88%、債券型ファンド81%が指数に負けている
データ:S&P Dow Jones Indices 『SPIVA Institutional Scorecard Year-End 2022』2023/07/12
図表左のEquity Mutual Funds は株式型の投資信託のことです。
青は費用控除前で73%、オレンジは費用込みで88%となっています。
この比率はUnderperfomance rates、成績が(ベンチマークに比べて)悪い比率のことです。
費用を支払った後の成績では、88%がインデックスに負けているということなのです。
図表左中の Equity Institutional Accounts は株式型の機関投資家向けの口座の場合です。運用額が大きなプロの支払う手数料は、一般個人よりも低くなります。それでも費用支払い後では78%、成績が劣後しています。
図表右中の Fixed Income Mutual Funds は債券型の投資信託で、費用込みでは81%が指標に負けています。
図表右の Fixed Income Institutional Accounts 債券型の機関投資家向けの口座の場合です。費用込みで59%が指標に負けています。
一般個人が10年運用した場合、費用まで考えると
株式型で88%、債券型で81%が、
インデックスより成績が悪いのです。
今回データは10年だが、過去の20年データは更に悲惨!
今回のデータは最長で10年のデータが記載されています。
過去のデータでは20年のデータがありました。
S&P ダウ・ジョーンズインデックス社が2021年3月12日(現地3月11日)に発表したデータ、SPIVAの内容です。
「Percentage of U.S. Equity Funds Underperforming Their Benchmarks」という2020年12月31日時点の10年(10y)と20年(20y)のデータが以下です。
2020年大型株 20年は94%がインデックスに負けていた!
All Large-Cap Funds : S&P500
10Y : 82.32% 20Y : 94.00%
「勧められた」、「テレビCMで良く見る」といった理由で、何となく投資する商品を選んでいる人は、この事実を知ってほしいと思います。
これらのデータは販売者の人にとって、お客様には知ってほしくない事実なのです。
* 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
本記事は信頼できると判断された情報等を基に作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。
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