紛争あっせん件数の37.11%を占める仕組み債、中には1億9543万円の賠償請求事例も！

「債券」という名前から、安定性が高いイメージを持たれがちな「仕組み債」。
事例によっては2億円近い損害賠償請求が起こっていることもご存じでしょうか。
2023年5月29日には約2480万円の損害賠償請求訴訟の判決が出ました。
その判決内容は約733万円の支払いを命じたものでした。

金融商品取引に関するトラブルを解決する、FINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)という機関があります。
FINMACから公表されている紛争あっせん事例を2020年-2022年まで集計しました。
集計の結果、全体の件数の内37.11%が仕組み債に関わるものだったことが判明しました（RIA JAPAN調べ）。

仕組み債は債券だから安心？仕組み債は通常の「債券」とは全く違う！

仕組み債とは、債券に株価や為替のオプション・スワップなどを組み入れ、相場の変動に伴って元本の価格が変動する債券のことを言います。リスクが高い分、高い利回りが期待できるとセールスされることがあります。
仕組み債はデリバティブ取引等の仕組みを組み込んでおり、通常の債券とは全く異なるものです。
デリバティブ取引とは金融派生商品と訳されることが多くあります。
例えば、先物取引や、オプション取引、スワップ取引などがあり、それらの総称としてデリバティブ取引と呼ばれています。
こうしたデリバティブ取引の中には極めてリスクの高いものもあり、債券と名が付いていても実際には30%以上の損失が生まれてしまう場合があります。

「債券は低リスク」とのイメージを持つ人は多くいるでしょう。
しかし、デリバティブ取引を含む仕組み債ではリスクが高い場合、仕組みが複雑な場合もあり、更に種類が多いことから、決して初心者向けとはいえない場合も多いのです。

2020年～2022年の3年間でのFINMAC紛争あっせん件数の約37.11%が仕組み債関係

FINMACによると、2020年から2022年までの3年間で合計28億円を超える仕組み債に関する損害賠償請求が行われていました。
また、FINMAC紛争あっせん件数をRIA JAPANにて集計したところ、全体のあっせん件数の内、37.11%が仕組み債に関わるものでした。

非常に多い割合で仕組み債に関する損害賠償請求が行われていることがわかります。

また、損害賠償請求金額も大きいものもあり、1億9543万円のものや1億6518万円のもの、8300万円のものなどがあります。
これらは主に仕組み債への投資によって損をした金額だと考えられます。

初心者向けとは言いにくい仕組み債、これから仕組み債に投資しようと考えている方はもう一度内容を見返してほしいと考えます。

RIA JAPANではかねてより仕組み債のリスクについてコラム、動画などで警鐘を鳴らし続けてきました。

RIA JAPAN　2020年8月に行った問題提起の内容

2020年8月に、この仕組み債問題などの業界の問題点についてRIA JAPANおカネ学（株）は提言を行いました。

https://ria-japan.co.jp/2020/08/19/fct-wg-proposal/

マイベストプロ東京で仕組み債の採り上げ記事集

2021年3月26日
8億円！の損害賠償請求額　仕組み債で後悔する前に　仕組み債とは？
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5081452/

2021年12月9日
金融庁 金融審議会が是正を求めた仕組み債。1年で12億円超の損害賠償が！
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5100073/

2022年3月24日
紛争あっせんの41.33%が仕組み債！！　FINMAC 2年間データ
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5107452/

2022年5月31日
金融庁資料、仕組債「EB債を購入する意義はほとんどない」
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5112371/

2022年8月25日
金融庁が仕組み債を重点検査！　販売者モラルは十分だったのか？
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5117947/

2023年2月14日
仕組み債、投資して大損！もはや手遅れ。金融知識を備えてトラブル回避を。信頼できる相談相手は？
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5129135/
仕組み債のリスクについて解説した動画がYouTubeにて公開されています。
そちらも併せて参照ください。


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