1階だけじゃ心もとないかも?2階建て年金の意味と価値 投資初心者が知らなかった資産運用
(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、1年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」や「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第44回目になります。
今回の内容は仕組み債についてです。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
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「債券」と聞くと安定した運用ができるイメージが強い感じがしませんか?
実際は複雑なデリバティブが組み込まれた商品なのに気が付きにくいものがあるのです。
「債券」とはいえ、とても初心者向けとは到底いえない「仕組み債」について、これまでは全然知りませんでした。
仕組み債は債券だから安心?仕組み債と通常の「債券」は別物!
仕組み債と呼ばれるものがあります。
債券に株価や為替のオプション・スワップなどを組み入れたもののことです。
高い利回り期待とセールスされているものもあるそうです。
仕組み債は通常の債券とは全く異なり、デリバティブ取引等の仕組みを組み込んでいます。
デリバティブ取引とは、金融派生商品と呼ばれるもので、先物取引やオプション取引、スワップ取引などの総称です。
デリバティブ取引の中には、リスクが極めてリスクの高いものがあります。
債券と名が付いても、30%以上の損失*が生まれる場合があるからです。
(*注 EB債事例で8割損失の事例も紹介されている。2022年5月27日 金融庁「資産運用業高度化プログレスレポート」)
実態コストが年率8%-10%とのデータも
金融庁公表のデータを紐解くと、仕組み債(EB債)の実質コストは、投資元本に対して約8~10%になるとも考えられます。
推定のコストは5~6%なのですが、運用期間が短く(*0.6年=約7.2か月)、1年で2回以上実質的なコストの支払いが来るからです。
これを年換算すると10%近くにもなると考えられます。
(*参考 2022年5月27日 金融庁「資産運用業高度化プログレスレポート」)
これだけのコストの説明を販売者がしているでしょうか。
販売者側に有利な情報は伝えても、不都合なことはできるだけ「ぼやかして」しまいがちです。
投資家にとってはリスクにつながるコストを支払っているからこそ、トラブルになるケースも出てくるのです。
FINMAC紛争件数の約41.33%が仕組み債によるもの
「債券は低リスク」とのイメージを持つ人は多くいるでしょう。
デリバティブ取引を含む仕組債はリスクが高い場合、仕組みが複雑なケースが出てきます。
さらに種類が多いことから、決して初心者向けとはいえない場合も多いのです。
金融商品取引に関するトラブルを解決する機関にFINMACがあります。
ここから公表されている2020年・2021年の紛争あっせん件数を半期ずつ集計しました。
全体の約41.33%が仕組債に関わるものだったことが判明しました(*RIA JAPAN調べ)。
販売者の発言がすべてではない
こういった商品は「高い格付がついている」とセールスされることもあるようです。
しかし、格付の範囲は債券のみに限定されていて、デリバティブズは格付の範囲外です。
そうなると、デリバティブズのリスクは格付には含まれていないことになるのです。
販売者は知らずに販売しているかもしれません。
もしくはセールスのため利益優先で販売しているかもしれないのです。
さらに相場下落のリスクをどれだけ把握しているでしょうか。
仕組み債を売るだけでも大きなリスクをはらんでいることを理解していたでしょうか。
販売者の発言には、必ず背景が存在するのを忘れてはいけません。
鵜呑みにするとこのような怖いことも出てくるため、知識を持って内容を理解していく必要があるでしょう。
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(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、仕組み債について執筆いただきました。
RIA JAPANではこのトピックについて特に2020年以降、多くのコンテンツにて発信してきました。
「投資家・顧客ファースト実現に向けて」を東京国際金融機構で提言
RIA JAPANは2020年8月に仕組み債のコスト開示を提言しました。
「投資家・顧客ファースト実現に向けて」という内容を東京国際金融機構(FinCity.Tokyo)のワーキンググループで提言した内容に含まれています。
約2年を経て、問題の大きさが浮き彫りになった形です。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000060456.html
※2023年3月末を以て新興企業会員の期間満了に伴い、東京国際金融機構(FinCity.Tokyo)を退会しました。
仕組み債については最近金融庁が販売実態を調査しています。
前後して多くの金融機関で仕組み債の販売を取りやめる決定がなされ始めています。
大きな動きが見られるようになってきました。
しかし、投資家にとっては「時すでに遅し」となってしまった例が多発しています。
・日経CNBC 朝エクスプレス マーケット・レーダー
有料経済チャンネル 日経CNBCにて解説しました。アーカイブが無料にて90秒閲覧可能です。全編は日経チャンネルマーケッツ契約者のみ閲覧可能です。[/太字]
「セールスを信じたらどうなった?これから投資商品を選ぶ基礎知識」 (10:15付近より)
「個人投資家にとって”アドバイザー”の役割とは?」 (6:55付近より)
・マイベストプロコラム掲載
8億円!の損害賠償請求額 仕組み債で後悔する前に 仕組み債とは?
紛争あっせんの41.33%が仕組債!! FINMAC 2年間データ
・YouTubeチャンネル「所長解説のおカネ学」
繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」や「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第44回目)。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
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