日本のIFAは米国では「アドバイザー」と名乗れない? 米国で移行が進む「アドバイザー」RIAとは?
仕組み債の販売実態を、金融庁と証券取引等監視委員会が重点的に検査する、との報道が日本経済新聞、2022/08/24の日経電子版で報じられました。
仕組み債のコストは8%~10%
仕組み債(EB債)の実態のコストは年率で8%-10%程度と考えられます。
2022/05/27に公表された、金融庁『資産運用業高度化プログレスレポート2022』に記載されている内容を紹介し、解説します。
…実現満期が0.6年程度と短いため、実質コストを年率換算すると8~10%程度に達すると考えられる
(解説)
EB債の実質コストは、『投資元本に対して平均して5~6%程度と推定される』のですが、運用期間終了までが0.6年(約7.2か月)で5~6%程度を支払うため、1年で2回以上、実質的なコストを支払います。年率に直せば約8~10%の実質コスト支払いとなるというのです。
仕組み債を購入した人々は、このような高いコストを実質的に支払っていることを知っているのでしょうか?
セールス担当者からこのような手数料の説明があったでしょうか?
販売者はセールスに役立つ情報を顧客に伝えます。一方、不都合な事実については、わかっていてもワザワザ伝えないでしょう。
販売者は仕組み債のリスクの大きさをキチンと理解していたか?
…サンプルの中には、僅か3か月で元本の8割を毀損した例もあり、リターンの分布を見ると、頻度は少ないものの損失率の裾野が広い。リスク(分布の標準偏差)は相応に高く、…
(解説)
仕組債には色々な種類がありますが、EB債(他社株転換可能債)の事例で、3か月という短期間で元本の8割がマイナスになったというものです。
販売に携わっていた者が、仕組み債のリスクがどれほど大きいのか、相場下落時にどれほどのリスクが発生するのかを、研修などで十分に学んでいたのでしょうか?
・十分に学んでいれば、仕組み債を売りたくないと思う販売員が多くでるでしょう。
・金融機関がワザワザ販売にストップがかかる内容をキチンと研修していたのでしょうか?
検査の結果が待たれます。
日経CNBC 2022/06/24の放送でも仕組み債の問題を
安東隆司が出演した日経CNBCの2022/06/24の放送でも、仕組み債の問題点について解説しています。
(6:55あたりから)
・FINMAC苦情件数のうち46%が仕組債に関する紛争
・仕組み債はリスクの割にリターンが低い
・金融庁 仕組み債に投資する意義はほとんどない
・実質コスト8%-10%が、開示されていないことは問題
・仕組み債は高収益商品
・「高格付け」はデリバティブズのリスクを含んでいない
・販売者は高収益を勧めたがる傾向があるのかもしれない
仕組み債問題に以前から警鐘を鳴らす、2020年のCNBC出演
安東隆司は仕組み債に警鐘を鳴らし続けてきました。
2020/4/23に日経CNBCに出演した時の内容抜粋が以下です。
10:15あたり
・老後資産の仕組み債投資で1160万円以上を損した事例がある
・2万件 2600億円以上の契約がある(某大手金融機関で)
・仕組み債で投資家に1000億円以上の被害が出る
・デリバティブズには安易に投資しない
あなたが相談している人は、実際は販売者というケースがほとんどです。
IFA、自称独立系アドバイザーが仕組み債の販売に関わっている事例も相当数あると思われます。
販売者は、「中立なアドバイザー」とは違うのです。
RIA JAPANではかねてより仕組債のリスクについてコラム、動画などで警鐘を鳴らし続けてきました。
仕組債のリスクについて解説した動画がYouTubeにて公開されています。
そちらも併せて参照ください(2021/4/12公開)。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
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