ETFの世界的権威にRIA JAPAN 単独インタビュー その師匠は「つみたてNISAの父」の世界的権威だった!
オルタナティブ投資として、ヘッジファンドやプライベートエクイティ(PE)投資を検討するケースがあります。
これらのカテゴリーに「分散投資」が必要かと問われれば、筆者の答えは
「NO」です。
SECがヘッジファンドやPEに厳しい規制を課す検討の理由は?
2022/08/10 米証券取引委員会(SEC)は情報開示を求めた規制強化案を公表しました。
ヘッジファンドやプライベートエクイティ(未公開株)ファンドの投資戦略やエクスポージャー(投融資残高)に関して、より詳細な報告を求めるものです。
潜在的なリスクを認識できない現状
なぜSECが規制強化案を検討しているのでしょうか? 理由は
ヘッジファンドやプライベートエクイティが持つ
潜在的なリスクを完全には把握できない
からなのです。
SECですら、現状の報告のレベルでは、
ヘッジファンド業界の透明性が不十分
であるということを示すものです。
果たして、一般の投資家や基金などの資産運用でこのカテゴリーへの投資が必要でしょうか?
筆者は不要であると強く思います。
日銀が指摘したヘッジファンドの問題点
日本銀行はかつて、ヘッジファンド指数やデータベースに問題点があることを指摘しました。
その一部、生き残りバイアスについて以下に引用します。
● 生き残りバイアス
ヘッジファンド指数およびデータベースには、以下のような限界が存在するため、当該データを用いて分析する場合、こうした限界を十分認識する必要がある。 :データベース提供者は、投資可能なヘッジァンドのみの情報を提供する傾向にあることから、その時点で引き続き活動しているヘッジファンドのみが指数を算出する上で計算対象となる可能性がある。低収益率のため報告を行わないファンドや既に消滅したファンド、業績連動報酬の取得が困難となったこと等から活動を停止したヘッジファンドなどのデータが勘案されず、結果として指数が実際よりも過大評価されたものとなる。
「ヘッジファンドを巡る最近の動向」
2005年 7月 日本銀行信用機構局 (現「金融機構局」) 金融市場局
【BOX3】ヘッジファンド指数およびデータベースの抱える問題
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2005/ron0507b.htm/
これらの指数の信頼性が十分だと言えるのでしょうか?
業界の販売者からは不都合な事柄は語られない
ヘッジファンド業界にいる人は、HF指数の問題点を認識しています。
(意識的に、社内研修では語らない場合もあるかもしれません)
しかし、顧客にこの事実をわざわざ語らないでしょう。
これらの事実を認識していない投資家が、販売者のセールストークに乗って、リスクを認識できない投資を行うことには注意が必要でしょう。