投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
2021年11月23日、トルコの通貨リラが急落しました。
対ドルでは15%近くの下落となりました。
新興国に対する投資とリスク
新興国債券が注目されるのは、利回りで10%を超えるものも珍しくないからでしょう。
2021年10月23日付の新聞ではトルコリラ建ゼロクーポン社債が18.73%/年という高利回りで広告が掲載されていました。
(2021年11月24日現在、同銘柄はHP上にて17.20%/年と表示されています)
今の日本国債10年の利回りは0.083%(2021年11月19日時点 財務省公表データより)です。
トルコリラ債で15%超と聞くと、魅力的に見えてしまうこともあるでしょう。
しかし、今回のような為替相場の急落は今後も起きる可能性があるのです。
経済成長を見せる新興国に対する投資は、選択肢の一つと言えます。
今回の急落を見ると、例えばひとつの政治的決断のインパクトが、通貨相場に大きな変動を与えます。
トルコリラは、過去に1年で49%も下落したケースまであったことも見逃してはいけません。
新興国投資には、常にこのような大きなリスクを抱えているのです。
このリスクを理解した上で投資するのなら、間違いとはいえないでしょう。
しかし問題なのは、誰もがこのリスクを正しく判断しているとは言えないことなのです。
実は大きな為替手数料の存在
もうひとつの問題点として、為替手数料の説明も忘れてはいけません。
トルコリラに投資する以上、一旦トルコリラに両替する必要があります。
仮に為替手数料を2円と仮定し、1リラ20円だったとします。
2円と聞くとそんなに高くないというイメージを持ってしまいがちですが、
この場合では、為替手数料は約9%にもなっていました。
さらに、債券が満期になると、日本円に戻さなければいけないケースもあります。
つまり、往復で為替手数料がかかると、約18%もの手数料が必要になるのです。
隠れたコストに対する認識が重要
高利率だけで判断すると、実は足をすくわれる事態になる可能性があります。
証券会社の営業担当が、「預金金利が0に近い中、利率がとびぬけているんです!」とセールスしている場合、言っている内容に間違いはありません。
しかし、コストが隠れている点に言及していないなら、この投資は注意が必要です。
販売者は手数料が利益になるのです。
しかし、実は高いコストの話をしたら買ってもらえないかもしれません。
更に、為替手数料は投資する前の口座開設時に前もって契約していたりします。
為替手数料については、説明が十分でないケースが多く存在します。
債券販売時には、実際の水準で為替手数料を説明する販売者が少ない(いない)からだと推察されます。
販売にとって邪魔な説明は、できればしたくない。こんな本音が透けて見えます。
表面利率が15%以上あったとしても、為替手数料で18%支払うようであれば、利益よりも支払うコストの方が高くなる場合も十分に考えられるのです。
筆者は過去よりトルコリラ建債券への投資に警鐘
筆者はトルコリラ建て債券について警鐘を鳴らし続けてきました。
2019年、ダイヤモンド・オンラインにて
トルコリラ通貨の暴落 以外に重要なポイントとは?
→ 為替手数料はいくらなのか、知っていますか?
隠れコスト の為替手数料の水準はなぜ説明されないのか?
詳細は下記リンクより閲覧が可能です。
「高利回り」の海外債券… 金利15%でも損する仕組みとは?
また、より詳しい解説を「お金を増やすならこの1本」にて解説しております。
書籍の詳細情報は下記リンクより閲覧が可能です。
Amazonでの販売ページ
2019年7月、デイリー新潮にてコメント
トルコ通貨建て債券「年利20%超」でも安易に手を出してはいけない理由
以下弊社代表コメント部分です。
「証券会社にもよりますが、円からトルコ・リラに替える際の手数料は一般的にかなり高い。片道の手数料だけで9%近く取られることがあります。償還時に円に戻すと、往復で18%です。20%といっても、為替手数料を差し引くと決して高利回りとはいえません。」
YouTubeでも外国債券のリスクについて解説
セミナーや講師のご用命は下記リンクの弊社HPお問合せフォームよりご連絡ください。
RIA JAPAN おカネ学株式会社 お問合せフォーム
元メガバンク・外資系プライベートバンカーが教えるお金を増やすならこの1本から始めなさい 増刷され好評発売中!
書籍の詳細情報は下記リンクより閲覧が可能です。
Amazonでの販売ページ
楽天ブックスでの販売ページ
紀伊国屋書店での販売ページ
iDeco+NISA・つみたてNISA プロの運用教えてあげる! こちらも増刷 4刷絶賛発売中!
書籍の詳細情報は下記リンクより閲覧が可能です。
Amazonでの販売ページ
RAKUTENブックスでの販売ページ
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
本記事は信頼できると判断された情報等を基に作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。