商品を販売することで”キックバック”? 中立なアドバイザーに求められる顧客本位とは
皆さま、こんにちは。
RIA JAPAN おカネ学株式会社 20代若手社員です。
老後の生活なんて20代の自分にとってはずっと先の話だし……
という考えを持っていましたが、弊社でも企業型確定拠出年金が導入され、遂に私も資産運用デビューしました。
実際に始める前に知っておきたい知識や、感じた点などをお伝えしたいと思います。
また、用語等厳密な文章だと分かりにくい文章になってしまう可能性があるため、分かりやすさを優先した表現を心掛けています。
前回のおさらい、NISAで調整局面に備えて利益確定はするべき?
前回は私の友人が悩んでいた「調整局面に入る前に利益確定をするべきなのか」という内容でした。
NISAでは売却益が非課税なので利益が大きいタイミングで利益確定をさせるのも一つの選択肢でしょう。
しかし、NISA(一般NISA)では非課税での運用期間が5年間までとなっています。
残り年数がまだ残っている場合では今後期待できるリターンを得られない可能性があることに注意が必要です。
詳細は下記リンクの前回記事を参照ください。
前回記事 調整局面に備えて売却した方がいいの?
迫る市場調整の足音、長期運用と決断していても、やっぱり不安に
最近、アメリカでは量的金融緩和の縮小(テーパリング)が年内に始まるとの見方が強まっています。
量的金融緩和政策とは国債や不動産担保証券を中央銀行が買い入れ、市場に大量の資金を供給する政策です。
アメリカの中央銀行といえるFRB(米国連邦準備制度理事会)のパウエル議長はこの量的金融緩和の縮小を「年内に開始するのが適当」と表明しました。
市場全体での調整局面が年内にも訪れる可能性が指摘されています。
若手社員は2020年の12月より人生初の資産運用を始めました。
ここ1~2年は世界各国がCovid-19対策として金融政策を講じていたため、世界的に株価が上昇していました。
資産運用開始後、初めて上昇局面でなくなる不安を感じています。
これまで、弊社コラムなどで数多く発信されている「長期的な目線での運用がキーワード」を理解してはいますが、自分のお金が調整局面によって減ってしまうのでは、と思ってしまうと大きな不安を感じました。
確定拠出年金を活用している人は市場が下がる前に株式から債券に預け替えすべきか?
若手社員は現在、確定拠出年金(DC) を活用しています。
確定拠出年金ではNISA同様売却益に税金が発生しません。
弊社DCにて採用している金融機関のプランでは銘柄の預け替え(スイッチング)手数料が無料でした。
更に全ての銘柄がノーロード(購入時の手数料が無料)で、一部の商品を除いて信託財産留保額が設定されていませんでした。
そして、私が現在保有している投資信託では全て信託財産留保額*が設定されていませんでした。
つまり、現在の保有している銘柄からスイッチングをする時に費用が発生しないのです。
*信託財産留保額:投資信託を換金するときに、換金する人が負担する費用
そこで私は調整局面で株価などが下がる前に、
「値動きが大きいとされる株式メインの投資信託」から「値動きが少ない債券メインの投資信託」に預け替え(スイッチング)をしておくべきではないか?と感じました。
スイッチングは選択肢の一つだが、売買のラグに注意
企業型DCの他にも個人型のiDeCoでもスイッチング手数料がかからないケースが多いでしょう。
今後見込まれる調整局面に備えて、値動きの少ない商品へスイッチングすることは選択肢の一つともいえるかもしれません。
しかし、スイッチングの際には運用商品の売買に日数が必要です。
例えば、投資信託のA銘柄を売却し、新たに投資信託のB銘柄を購入しようとする時には
A銘柄売り運用指図→約定→受渡・B銘柄買い→約定→受渡というプロセスになります。
私の場合、売りの受渡まで最大6営業日、そして買いの受渡まで最大4営業日の期間が必要です。*金融機関、選択商品により異なります。
投資信託の場合、売りの受渡日当日が買いの運用指図日になりますので、全てのプロセスが終了するまで最大で9営業日必要ということになります。
この期間は営業日での計算ですので、実際には休日や祝日が間にある場合、更に長い期間が必要になる可能性もあるでしょう。
もちろん、この期間内でも平日の間は市場が開いているので銘柄の値段が変化します。
本記事執筆時(2021年9月2日)に、ある投資信託から別の投資信託へスイッチングを行おうとすると、
売却商品の値段は2021年9月3日に、購入商品の値段は2021年9月9日予定と表示されました。
私の場合は購入商品の値段が決まるまで1週間程度かかってしまうようです。
短期間の利益確定としてスイッチングを行う、というよりは長期的に運用方針を決めた上でのスイッチングが必要なのだと感じました。
あくまで最後の判断は自己責任だが、過去データでは長期的に上昇を続けている
このタイミングでスイッチングを行うべきなのか、迷っていた時に、過去の弊社代表執筆記事より参考になりそうな見出しを発見しました。
「強気相場のリターンは、弱気相場の損失を補って余りある」【過去コラム再掲】
ETFプロバイダーで有名な、バンガードの最高投資責任者である、
グレッグ・デイビス氏の言葉です。
世界の株価動向を長期的な視点で見ると、世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りあることがわかります。
長期運用のケースでは大きな下落があってもいずれその下落分を超える上昇を続けてきました。
注記:弱気相場とは、直近の株価の最高値から20%下落した相場を指します。
出所:トムソン・ロイターのデータに基づきバンガードが算出。リターンは1980年1月1日から1987年12月31日までをMSCIワールド・インデックス、1988年1月1日から2019年6月30日までをMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスにより、1979年12月31日を100として算出
(引用ここまで)
弊社代表の著書では実際にスイッチングを実際に行った際のスイッチングの流れなどを詳細に解説しています。
「iDeCo+NISA・つみたてNISAプロの運用教えてあげる!」
今回のコラム内容にリンクする箇所はP162~で「実際にスイッチングやってみました!」でも詳細を解説しています。
実際のスケジュールや図表を用いて銘柄の価格が何日に決定するのかわかりやすく解説しています。
詳細は下記リンクより閲覧が可能です。
iDeCo+NISA・つみたてNISA プロの運用教えてあげる!amazonページ
※本記事はRIA JAPANおカネ学株式会社20代若手社員が執筆しています。
また、本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
本記事は信頼できると判断された情報等を基に作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。
用語等厳密な文章だと分かりにくい文章になってしまう可能性があるため、分かりやすさを優先した表現を心掛けております。