投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
企業等でもPB(プライベート・バンキング)部や、富裕層部門などが設置されるケースが増えつつあり、プライベート・バンカーという言葉の知名度は以前よりも高くなっています。
プライベート・バンクとは?
一般的にPBは「富裕層のための金融機関」と考えられています。
さまざまなレポートで「保有金融資産100万ドル以上」を保有する人をいわゆる「富裕層」としています。
こうした「富裕層」を対象としたサービスをプライベート・バンキング、プライベート・バンク(PB)と呼ぶようになりました。
雇われ社員=自称バンカー、欧米のPBバンカーとは異なる
PBの担当者はプライベート・バンカー(PB)と呼ばれます。
PBの意味は勤務先も担当者も指し示すので、混乱しますね。
ところで英語でBankerは「銀行経営者」や「銀行役員」です。
また外資系のPBなどのプライベート・バンカーは地位がとても高い場合があるのです。
日本の企業では、支店長や部長といったマネジメント層が上司という印象があります。
しかし、PBバンカーはプロフェッショナルです。経営層となり、顧客担当を外れることを望まないプロが「バンカー」として顧客から絶大な信頼を得ています。
そして、マネジメントの年収を、はるかに超える年収を得るバンカーも存在するのです。
日本での自称 プライベートバンカーはどうでしょうか?
経営にタッチしていません。
プロフェッショナルで、上司の報酬をはるかに超えるプロ待遇でない場合がほとんどでしょう。
また転勤で部署変えになるケースも日本の場合はあるでしょう。
Private Banking clerkが日本での「自称プライベートバンカー」担当者の正しい表記だと考えられます。
「富裕層御用達」看板に疑いあり
日本の金融商品のマーケティングにおいて、「富裕層御用達」というのはキャッチコピーとして強力なのでしょう。
しかし、その実態は「富裕層御用達」ではない可能性もあるのです。
積立投資を例にとると、「世界の富裕層も実践する長期・積立・分散」というキャッチコピーがあります。
実際には、富裕層は既に一定の資産ができあがっているため、積立をする必要はほぼ、無いと言えるでしょう。
そこで「一部の富裕層も」と書き加えられるケースもありました(富裕層担当者であった筆者からは、ずれている印象があります)。
「富裕層御用達」というキャッチコピーでのセールスが必ずしも正しくない場合もあり、気を付けていただきたいと思います。
系列無視で良い条件の相手と取引できるオープン・アーキテクチャー
筆者はプライベート・バンキングに必要な要素のひとつが「オープン・アーキテクチャー」だと考えています。
系列などに縛られず、良い条件を提示できる仕組みを指します。
取引する相手方が系列に関わりなく、本当に顧客が必要とする商品を安価で提示できるかが重要なのです。
例えば、仕組み債や仕組み預金といった「デリバティブズ商品」をテーラーメードで作成するとします。
日本の金融機関では、海外の系列子会社か、取引のあるごく少数の親密な業者が相手となるでしょう。
一方でオープン・アーキテクチャーを実践できる金融機関は、自社の系列を優先することはありません。
数多くの相手の中から、最も有利な条件を選べるのです。
日本ではPBと名乗っても、最良の条件とはかけ離れた条件を「テーラーメード」と称してセールしていた事例が見られました。
つまり、名前と実態がかけ離れていたのです。
キックバックを受け取り、手数料開示しない担当を信頼する?
富裕層を顧客とする自称PBでも、顧客本位でない可能性があります。
顧客が本当に望むニーズよりも、売買の度に発生する手数料などで利益を上げようとするビジネス形態は存在します。
取引によって顧客がいくら手数料を支払うのかを明示できない者は、本当の信頼を勝ち得ることはできないと思っています。
取引によって、「いくら頂戴します」と明示できる取引相手の情報開示する相手のほうが、「キックバックで実はお客様に開示しない手数料をもらっている」販売者よりも親身に感じる投資家が多いと考えるからです。
自称PBと「販売者」にある手数料ビジネス
手数料の一部を受け取るコミッション型のビジネスが、日本では当たり前に行われてきました。
PBを自称する人々が、「販売者」サイドである可能性には留意してほしいと思います。
手数料の一部を受け取るコミッション型ビジネスに、欧米では投資家離れが起きています。
販売者サイドの担当者に、中立なアドバイスを求めることが難しいと考える投資家が増えているからです。
日本の投資家にもこの事実を理解してほしいものです。
「富裕層」が求めるプライベート・バンカー
目の肥えた富裕層が求めるプライベート・バンカーやアドバイザーの共通点があります。
・顧客ニーズを聞くことに熱心で、提案を親身に説明すること。
・価格の透明性に疑念があるもの、戦略に高いリスクがあるものへの過度な投資は避けるアドバイスをすること。
これらの共通点から言えることは、目の肥えた富裕層が求める者は「顧客に寄り添う、顧客想いの者」だと言えるでしょう。
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筆者が経営するRIA JAPANは独立系の投資助言会社です。
金融商品の販売を行いません。
投資顧問料報酬の体系も全面開示しています。
これからも「お客様に寄り添う、お客様想い」の、中立な立場でのアドバイスを続けていきます。
詳細は下記リンクのページより閲覧が可能です。
顧客本位の業務運営原則を採択、取り組み状況を見直し
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