投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
金融庁が金融機関の活用を進めているのが、「重要情報シート」です。
投資信託や外貨建て保険といった投資の内容やリスクを示す資料として導入するように示達されました。
重要情報シートについては過去の記事でも解説しています。
金融事業者の取り組みがわかる「重要情報シート」とは?…
重要情報シートは「金融事業者編」と「個別商品編」の2種類があります。
金融事業者編で記載されるのは、立ち位置や商品やサービスの内容、考え方、苦情窓口などの情報です。
個別商品編では、内容やリスク、運用実績、費用、換金、解約条件といった情報が記載されます。
利益相反の可能性や租税の概要なども掲示されるため、顧客本位にシフトすると期待されているのです。
「重要情報シート 個別商品編」にない隠れコスト
個別商品編では内容だけでなく、リスクや費用など投資家目線で必要な情報の記載を期待したいところです。
海外の商品も含め、解約の条件や利益相反にまで言及していれば、これほどの情報はないと思うはずです。
ところが、投資家が知るべきコスト情報の全てが記載されるとは限りません。
一例では海外債券における為替手数料などの隠れコストです。
トルコ・リラ債券などで発生する為替手数料は重要情報シートでも非開示の可能性も
筆者がかねてより警鐘を鳴らしてきたものがトルコ・リラ債券などにおける為替手数料です。
トルコ・リラの債券を購入するのなら、日本円からリラに両替が必要になります。
(トルコリラ投資経験者以外の普通の投資家で、あらかじめトルコ・リラを持っている人など、まずいないでしょう)
その後リラを日本円に戻さなければならないケースでは、往復で手数料が必要なのです。
重要情報シートの個別商品編に、トルコリラ債券の情報はおそらくキッチリと記載されるでしょう。
しかし、一体の取引である、「両替のコスト」部分まで、重要情報シートに丁寧に記載する金融機関はどのくらい現れるでしょうか?
金融庁からの示達ではこの為替手数料についても重要情報シートに記載すべきと明記はされていないと思われます。不都合な情報は出したくない販売者は、記載しないと思ってかかった方が無難です。
(そしトルコリラ債券投資をしたいと思う、このコラムを読む投資家の人は、両替のコストについてもくまなく説明してくれるように依頼し、全容のコスト把握に努めてください)
過去に筆者がトルコリラに対して解説した記事などのまとめは下記リンクより閲覧可能です。
日経でも取り上げられたトルコリラ 隠れたコストに要注意
金融機関側にもう一歩踏み込んだ情報の明示を期待
「重要情報シート」は、新たな試みとして大切な情報となるのは間違いないでしょう。
世界的な潮流である顧客本位の業務運営に日本も少しずつ近づいてきています。
しかし、投資家としてこの情報だけを頼りにしていくことはできません。
これだけでは見えていないコストなどがあるかもしれないのです。
「重要情報シート 個別商品編」を作成する金融機関に対し、もう一歩踏み込んだ情報の明示を期待したいところです。
海外債券などの為替手数料など見えにくいコストも明示されると、投資家が本当に負担するコストが見えてくるでしょう。
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