元メガバンク行員のキャリア転落時代 社会的課題への取り組み番外編 第3.5回【RIA JAPAN】
弊社代表、安東隆司が「顧客本位のサービス」を求めて、
どのように取り組んで来たのかをお話させていただきます。
今回はその6回目です。
金融機関のノルマで取引先はウンザリ
当時勤務していたメガバンクには、いろいろなノルマがありました。幅広く、まんべんなくノルマを達成する必要がありました。
融資取引のある取引先は、銀行からお金を借りているという負い目もあり、協力的な場合が多くありました。実態としては、「優越的な地位」を利用した圧力営業と言える場合もあったのではないでしょうか?
取引先は、担当が変わるたびに、例えば投資信託の乗換えを提案され、乗換え時に販売手数料を支払うという、金融機関の収益、担当者のノルマ達成のために自己の運用成果が犠牲にされる場合もあったと思います。
銀行では全く理解を超えたキャンペーンもありました。
設立〇周年の記念キャンペーンといったものです。
お客様に利益を還元するのではなく、ノルマ達成のために取引先に協力してもらうというものです。
「どこ向いて仕事をしているんだ」酒席で同僚と企画部門に対する不満を口にした事もたびたびありました。
プライベートバンク構想を社内ネットで提案
安東は、プライベート構想を社内掲示板に提案します。詳細はここでは割愛しますが
・商品毎ノルマを廃止
・転勤制度を無くし、長期でお客様を担当する
・お客様ニーズに合ったサービスを、お客様が必要とする時に提供
・収益性は低くても大きな金額で長期取引していただく前提で収益を確保する
・商業銀行の全店信託銀行化
といった内容でした(1999年)。今でいうところの顧客本位の業務運営の提案です。
現在では多くのメガバンクの個人(リテール)部門が同様の方針を打ち出しています。
頭取からメールが来る!PB構想のテストケースを担う
社内掲示板(イントラネット)に提案をしてからしばらくすると、銀行の頭取からメールが来ました。
頭取なんて、入行以来会ったことこともありません。雲の上の人です。
「プライベートバンク構想は、(顧客本位で)面白い提案だと思うので、テストケースでやってみたらどうか、企画の役員に話しておく」といった内容でした。
後の資産家RM(リレーションシップ・マネージャー)という人事制度のテストケースの一端を担うことになったのです。
富裕層のご用聞きに徹し、必要なサービスを提供する
土地持ちの資産家が多い地域で、ニーズを聞くという事に徹しました。もちろん、門前払いで会ってくれない資産家もたくさんいました。
ニーズを大別すると
・老朽した賃貸マンション、アパートの修繕資金が不動産不況で借入できない
・銀行は返済を迫る一方(貸し渋り全盛)
・相続税が心配だがどうすれば良いのか
お客様のニーズに応える「ソリューション提供」を信託銀行の力、相続専門部隊の力を借りて共に進めることとなったのです。