投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
外出自粛要請で家で過ごす方が増えているかと思います。
ネット証券では口座開設数の増加が確認されたりと、このタイミングで新たに資産運用を始める方も増えているようです。
しかし、生半可な知識で資産運用を始めてしまうと思わぬケガをしてしまう可能性もあります。
今回は数回にわたり、長期間の資産運用にとって大切なことをお届けしたいと考えております。
【GW特別連載コラム~生半可な知識ではケガをする バックナンバー】
第1回:①純資産ランキングで投信を選んで本当に大丈夫?
第2回:②気づいたら1/4に目減り!?知らないと損する毎月分配型に潜むワナ
前回のおさらい
前回は毎月分配型の特別分配金は元本取り崩し金だということを解説いたしました。
「みんな買っているから」「売れ筋だから」で商品を選ぶことは大変危険です。
そうなると「安定した運用で……」と考えてしまうところですが、そこでおススメされがちなバランス型にも注意が必要です。
バランス型、中には損する仕組みに投資しているものも
「リスクはあまりとりたくないですよね」と言われたら多くの方がうなずいてしまうでしょう。
そこで、「リスクをあまりとりたくない人向け」にバランス型がオススメされる場合が多くあります。実際にこれまで紹介してきた純資産ランキング上位5銘柄の中でもバランス型のファンドがランクインしています。
しかし、バランス型ファンドも種類によっては確実に損をしてしまうファンドもあるのです。
バランス型とは複数の投資対象に投資する投資信託です。一般的には「日本株式」「日本債券」「外国株式」「外国債券」の4つの投資対象に投資するパターンが多いでしょう。
中でも注意すべきバランス型は日本債券の割合が多く、コストが高いバランス型です。
日本の国債は長年、低金利の水準に据え置かれています。2020年5月1日時点でも年利回りがマイナスとなっています。マイナス金利では「利子が貰えずに利息を支払う」ということです。
一方、日本国債ではなく社債の利回りはどうでしょうか?
2018年12月末時点での日本の高格付け社債の利回りはわずか0.3%でした。
では実際にリターンを計算してみましょう。
日本の債券全体のリターンを仮に0.3%とします。
バランス型ファンドの信託報酬が1.78%だとすると、リターンは
0.3%-1.78%=-1.48%
毎年マイナス1.48%損していくのです。
もちろん、日本債券以外の投資対象でリターンを取り戻せれば全体の運用はマイナスにはなりませんが、バランス型ファンドを選ぶ際には、投資対象からのリターンとそれに費やすコストがどうなっているのかを考える必要があります。
「ハイイールド」=投資不適格
また、純資産ランキング上位5銘柄の中にはハイイールド債券の銘柄があります。
ハイイールド(高配当)と聞くと魅力に感じますが、実際には「ジャンク債」とも言われ、「投資不適格」と格付されている債券です。
純資産ランキング上位5銘柄の中にあるハイイールド銘柄では分配金が90円から35円に引き下げられ、現在解約しようとしたらこの銘柄もスタート時100%が26%程度まで大幅に目減りしてしまいました。
このシリーズでは、ランクインする投資信託でも注意が必要な銘柄について解説してきました。
実はこれらの銘柄にはある共通点があるのです。
次回は「なぜ高コスト傾向の強い銘柄がランクインするのか?」をお届けいたします。
また、今回登場した「バランス型」についての詳しい説明は弊社代表の書籍『元メガバンク・外資系プライベートバンカーが教える お金を増やすならこの1本』P107 以降に詳しい解説が掲載されています。
「ハイイールド」「社債」や「格付」、「投資適格・投資不適格」については上記書籍のP62 以降に詳しい解説が掲載されています。
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