「指示」VS「支援」~相手の心のニーズを理解する~

伊東久

伊東久

テーマ:コンサルティングと研修の現場から

 「指示」と「支援」の違いは何でしょうか?
 これは、私たちの管理職向けコミュニケーション研修のテーマです。一般的にコミュニケーションとは、「相手との意思疎通」であると言われています。伝える力と傾聴力でお互いの関係性を良くしていく、いわゆる相互理解を図る手段です。でも、これだけでは相互理解は図れても、「結果」はついてきません。組織には「業績」がかかっています。人の能力を最大限に発揮し、成果を勝ち取らなければならないのです。そのために、管理職向けの組織で成果を勝ち取るコミュニケーション手法を教えています。経営の神様、ドラッカーが「マネジメントとは組織で成果を上げることである」と言っています。まさにそのための手法が管理職に必要なのです。

相手を支え助けること

 「指示」の意味は、「一点を指図するもの」と言われています。これに変わり「支援」の意味は「相手を支え助けること」になります。これを更にかみ砕くと、「指示」は一点ですから対象は「モノ」になります。「これを作りなさい」という成果物が対象で、そのモノができれば手段は問わないとも言えます。逆に「支援」では、相手ですから対象は「人」になります。成果物に対し人の手助けをすることで達成させようとするものです。「支援」の先には、人の成長が必ずついてくるのです。

You

 次は対象者を考えてみましょう。誰が対象で、誰のためにするのでしょうか?「指示」は対象は、This and Thatでしょう。これを作り上げなければならないという、モノが対象になり、誰のためかというと、その成果物ができればいいのです。一方「支援」での対象は、You になります。誰のためかというとこれも、You ということになります。あなたのために支援します。あなたの成果のために助けるということになります。人の成果のために支援することで、自身も成長ができ、相手の指導にもつながっていくことになります。

やりたいこと

 では次にそれぞれの志向を考えてみましょう。「指示」には、義務や権限が働きます。いわゆる「やらなければならない」です。逆に「支援」では、欲求が増し「やりたいこと」に変わります。ある心理学の研究で、自分が欲求した仕事では、他人から与えられた仕事よりも成果が上がりやすいというものがあります。まさに、支援することで、やりたいことにつなげられることが大切なのです。

新しい価値を生む

 最後はそれぞれの成果は何でしょう。「指示」では意図した通りのモノが出来上がるでしょう。「支援」では、新しい価値を生むことができます。目的に沿って、描かれたゴールだけではない、新しいモノが生まれるのです。そこには、人の能力を最大限に引き出して、協力し合う手段が必要になってきます。それが、成果を生み出すコミュニケーションの取り方です。

人の能力を最大限に引き出すコミュニケーション手法

 その能力を引き出すために、次のことをしなければなりません。
 1.部下の心のニーズを理解する
 2.部下の主体的な行動を促す言葉をかける
 3.部下の自己重要感を満たす会話をする
 4.部下のモチベーションを高める関与手法
 そのゴールは、組織で成果を勝ち取ることができます。

 私たちのコンサルティングでは、実際の業務に合わせたPDCA手法のアドバイスから、研修において人の能力を最大限に引き出すコミュニケーション手法をアドバイスしています。結果的に「個人と組織の相互成長」が期待できます。

 コンサルティングと研修のお問い合わせは、おもてなし経営クリエイション・アカデミーまでご連絡ください。

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Mybestpro Members

伊東久
専門家

伊東久(経営コンサルタント)

株式会社おもてなし経営研究所

現場での接客と、組織マネジメントの経験を併せ持った視点から、顧客に愛され支持される「おもてなし経営」を目指した組織づくりを支援。従業員の力を引き出すコンサルティングと豊富な経験談を交えた研修が好評。

伊東久プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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