上司への不満を解決する方法 ~研修での部下からの質問~
新入社員研修がスタート
2020年の新入社員研修がスタートしました。新型コロナウイルスが猛威をふるっている中、各社苦渋の策で開催をしているようです。私が毎年担当している研修先は、4社中2社の研修が中止になりました。残る2社については、入社式は中止になりましたが、研修は事務的なオリエンテーションと配属へ向けての基礎知識を習得しなければならず、万全の予防体制でスタートしました。
静かな研修室
ある会社では、当初は合宿研修でしたが、宿泊を中止し通勤での研修に変更しました。時短は1日約3時間で、座学が主体の研修にシフトしました。もちろん座る位置は3名用の会議テーブルに1名だけで、隣の人との間隔は2メートル以上空いています。全員マスクを着用し、部屋の入口には除菌スプレーを設置、手指の殺菌の仕方をレクチャーする念の入れようです。接近しての会話や大きい声を出すことも自粛していました。新人に聞いてみると「この状況ならやむを得ないと思いますが、同期の仲間との交流ができないです」と寂しそうにしていました。そういえば、お昼休みのお弁当を食べている時にしかマスクを外せないので、自己紹介をしても目線だけではどんな人なのかピントこないのかも知れません。休憩時間や昼休みも会話が少なく、みんな静かにマニュアルを読んだり、研修テキストを眺めていました。
研修中は、号令や元気な挨拶練習も控えめに実施しているので、「起立!」の声にもハリがなく、「おはようございます!」の元気良さも封印されています。例年なら「もっと元気出して!」とはっぱをかけているのですが、その場面がありません。いわゆる新人研修ならではの光景が、今年は見られなくなってしまいました。
この状況下でのコミュニケーション手法
では、新人たちは元気のないまま現場に出てしまうのでしょうか?
私はこの状況下だからこそ、コミュニケーションが大切だと思っています。それを少しでも感じてもらえるようにできるだけ研修の中で伝えました。ですから、ペア方式でお互いに距離を保ったままでのディスカッションを多く取り入れました。
その上でまずは、目線の大切さです。マスクをしている関係で相手の表情がよくわかりませんが、できるだけ目で表情をつくって相手に伝える努力をしなければなりません。そのためには、目を大きく開ける、瞬きをする、うなづきの時には大きく首を振るなどを大げさにすることで、相手に気持ちが伝わっていきます。
次に、動作を付けることです。できるだけ手や体で会話に表現を付けることで、伝えたい感情を多く見せられるするようにしていきます。苦しい時は胸に手を充てたり、楽しい時は手を上げたり、頑張ろうという気持ちの時には握りこぶしでガッツポーズをするようにしました。日本人は言葉で表現する方法をたくさん持っているので、ジェスチャーによる表現があまり得意ではありません。それをできるだけ効果的に使えるようにすると、今後増えるであろうテレビ会議などでも有効になっていくと思います。
3つ目は、発声の仕方です。いわゆる「ボソボソ」とした発声は特にマスクをしているとほとんど聞こえません。はっきりと強弱を付けて発声させると良いでしょう。そのためには「間」を取ることが大切です。棒読み状態にならないよう、しっかりと間をとりながら会話をしていくと良いと思います。
最後は、姿勢です。人の話を聞くときは姿勢を正すことはもちろんのこと、少し前屈みになって耳をすませる仕草をして、しっかりとうなづきながら聞くようにします。特に上司から指示を受ける際には、「ハイ!」と返事をして背筋を伸ばすと頑張りが伝わります。
やる気を見せよう!
私の新人研修では、「周囲の人から信頼を得るコミュニケーション手法」を主にやっています。これは、学生言葉の修正、相手に不快感を与える言葉の修正や、指示を受けた時の返し方、上司にお願いしたい時の伝え方を練習させています。例えば、自分のことを「私は・・・」と言わず「ジブンは・・・」という人が多くいます。これはビジネスの現場では通用しません。また、「マジで」や「いいっすか」という言葉も研修で修正させます。指示を受けたら必ず復唱することも大切ですし、仕事が分からない時の質問の仕方も練習しています。休みが欲しい時の伝え方も上手くできない人が多くいます。こんなことを繰り返し練習することで、堂々と胸を張り「新人です!」と言って現場に出るようにすすめています。新人へ送る言葉として「やる気を見せよう!」と言っています。まず君たちの仕事は、このコミュニケーション手法を使い、特にこの状況下だからこそ表情と動作でやる気を見せて欲しいと伝えています。
自分を表現しよう!
野球の米大リーグで活躍している大谷翔平選手が学生時代、有名選手になるためには住んでいる寮の周りを掃除したり、近隣に挨拶することを大切にしていたそうです。きっと、周りから慕われて元気づけられながら育っていったのでしょう。これを私は、「自分で運を呼ぶ行動」だと思っています。
今年も大勢の新人が巣立っていきます。ルールやマナーも必要ですが、私は堂々と自信を持って自分を表現することが大切だと思っています。それが、先輩たちの方から近寄ってもらえる人になる秘訣ではないでしょうか。
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