おひとり様は常に自分情報の更新を意識しましょう
【はじめに】
今回は今まで相談を受けた起業・独立に関しての相談者に
共通していた特徴や傾向についてまとめてみました。
ごく当たり前のことばかりですが、
実際にこれらの傾向に思い当たる方は要注意です。
【起業準備のスタートのタイミング】
やはり個人的な見解やその後の成功事例を見ても
50代で行動を起こす方が成功確率は高いようです。
なんだかんだ言って50代(前半)は行動力があります。
考えるより動けではないですが、変に頭の中でこねくり回して
行動を躊躇するのはやはり60代に目立ってきます。
念の為に書いておきますが、
50代で会社を辞めて即独立!という意味ではありません。
50代で会社勤めのうちから独立に向けた準備行動を始めることが
その後の成功に繋がるという意味です。
起業は60代以降でも構わないのですが、準備だけは50代早々から
この約10年間の準備期間、言いかえれば、安定収入のある会社員生活という
土台に立った中で新たな仕事の為の調査や準備をすることは
まず心情的に安心度が違います。
退職後から準備するとなると、まさに背水の陣、失敗は許されず
時間的な猶予も限られる中で正しい選択や行動が出来ることは
まずあり得ません。
残念ながらこういうタイプはネット上やいろいろなメディアで
紹介されている胡散臭い独立即年収1千万等の与太話に飛びついてしまいます。
起業・独立を目指すなら、収入と時間の余裕がある中で準備を始める。
変な例えですが、初心者の投資と同じ、全てかゼロかといった乾坤一擲の勝負は厳禁です。
【心構えの問題】
起業相談の際に何のてらいもなく初歩的な質問をしてくれる方は
その後の進捗は非常に順調に進む、というのが私の経験則のひとつです。
要は知らないことを知らないと言える「度量」でしょうか
こんなことを今更聞けないとか、わざわざ確かめることもないか、
といった自分の中だけで帰結させるようなタイプは後になって
何でこんな初歩的なミスを? いきなりこれは無謀すぎる!
といったケースを起こしやすいのです。
会社員時代に経験したことでもその時には易々とこなしていた業務も
50代60代になれば自分の思うように出来なくなることはあって当たり前です。
けっこう途中で挫折する方に目立つのが
「今まで当たり前に出来たことが出来なくなっていた」
「考えに身体がついていけない」といった現実にショックを受けて
そのまま一気に起業の熱意が消滅するケースです。
遺憾ながら、50代になれば冷静に今の自分が出来る事、
以前は出来たけど今は出来なくなった、または自信が無くなったこと
日常生活でも仕事上のことでもいいので冷静に見直しをするべきです。
もう一つ付け加えるならば、
個人的には50代以降で起業・独立を目指すなら
「人生を楽しむ為」の仕事という意識を持って欲しいということです。
個々の事情があるのであくまでも私見ですが、
50代迄は生活の為、おカネの為で仕事に邁進していた、
ならば第二の人生となる起業後にはそこに「仕事を楽しむ」
という理由が加わればより幅のある、奥行きのある後半生を送れると思います。
その為には「わくわくが止まらない」「全くの未知の分野での仕事に興奮」
「文字通り、仕事が趣味」といった感情で第二の仕事に向き合えるかです。
「仕方なく始めた」「不安しかない」「もう少し時間が欲しかった」
といったスタートからネガティブな要素が混じっているようでは
正直な話、熱意をもって仕事に臨めるとは思えません。
【最初は低めのハードルで】
会社員の中でもいますが、生真面目で完璧主義者タイプは
いきなり100点満点を目標にしがちです。
それに見合うような前歴や実績があるならば別ですが、
初の業務でも期待以上の成果を挙げようと頑張り過ぎるタイプは
起業・独立には不向きです。
中にはいきなり初年度から好成績を上げる方がいます、
それは事実ですが本当に稀な存在でしかありません。
成功の理由もまさに「天の時」や「人の出会い」といった
ある意味偶然のなせる業の場合も含めて話であって、
本人の実力が成功理由の100%というケースはごくごく少数派です。
事業計画でも初年度から黒字、
または利益額〇〇万円という想定のプランには
多くの場合「こうあるべき」「この傾向が続くこと」
といった願望や他力本願的なベースに立脚したものがありました。
まずは「100点満点ではなく、及第点を目指す」
「赤点だけは避けたい、避けられなくても最小の失点で収めたい」
くらいの気持ちで考えて欲しいのです。
起業時によくありがちなのが
自分では最低ラインの目標と思っていても
第三者が見れば今出来る最高ラインを目指しているというパターンです。
思い違いの原因は、やはり基準値の取り方を無意識に会社員時代の年収や肩書に
置いている為で「せめて同じ額は稼がないと」「代表者、社長の名に恥じない売り上げを」
といった世間体や見栄によって最高ラインと最低ラインを見誤るのです。
いわば自分で勝手に無理筋のノルマを課してしまい無謀な計画を立てるのです。
業種にもよりますが、
概ね3年後の黒字を目指す程度の想定が
ストレスも少なく、柔軟な行動もし易いようです。
「最初の一年で計画の矛盾に気付きました、
2年目で軌道修正を業界の先輩に相談しながら
始めて3年目に収支トントンに出来ました。」
この方は全て自分でと抱え込まずに
その世界の成功している先輩(但し年下の)にも
躊躇せずに教えを請い指導を受け入れたことで
4年目から安定した成果を残せるようになりました。
言い方が難しいですが、
手抜きできるところは抜く勇気も必要でしょう。
全てを自分が理解し、行動し、完遂する ではなく
出来ないことは出来ないとして他人の力を頼ることを決断することも
成功の要因のひとつです。
【終わりに】
本格的に起業・独立の相談業務を始めて12年が経過しました。
その間いろいろなタイプの方と面談を重ね、いろいろな起業の動機や
理念を伺う機会を得ましたが、人数分の動機や理念がある中で
何となく共通の括りで捉えられることに気付きました。
今までも何度かこの場で紹介してきましたが、
今回はそれの総括としてまとめてみましたが如何でしょうか?
文字にしてしまうと当たり前すぎでわざわざ紹介するものかと思えます。
ですがいざそれを実践するとなると、どうでしょうか?
まさに、言うは易し行うは難しの典型でした。
令和の時代、転職や起業・独立を真剣に考えるのは40代に移りつつあります。
より考える時間も行動力も十分な余裕がある世代です。
そういった方にも少しでも参考になればと思い紹介させて頂きました。