改葬の手続きをおさらいしました
【はじめに】
今まで主に50代前後の起業や独立、再就職へのアドバイスや
実態の紹介等を行ってきたこのコラムですが、
最近はコロナ禍の影響もあってか、第二の人生を考える際に
仕事と並び「終活」についての問題に直面し、悩むケースが
目立ってきました。
50代となれば、親は80代前後で子供は30代前後でしょうか?
高齢の親の問題に、生活基盤が未だ不安定な30代の子供、
そして自分自身は第二の仕事や人生に向き合う時期です。
そういう状況を踏まえて、
今後は折に触れて終活に関連する話題も採り上げていくこととしました。
今回は最初の話題として、
葬儀に関して紹介したいと思います。
【各葬儀の特色と費用】
ひと口に「葬儀」と言っても、最近はいろいろな種類があります。
通常50代前後の世代の場合は、「一般葬」と呼ばれるものが
葬儀そのものだったのではないでしょうか?
以下に現代の代表的な葬儀のスタイルを紹介します。
1)一般葬
葬儀を広く通知して、
生前に交流があった方やお世話になった方などが
参列するスタイルです。
葬儀・告別式に加えて通夜も行うのが一般的です。
当然ながらそれなりの費用が発生し、
概ね100万円台が主流とのことでした。
冠婚葬祭には定価も上限もない為、
200万円以上の盛大な葬儀も珍しくありませんでした。
2)家族葬
葬儀を行うのは一般葬と同じですが、
参列者は故人と特に親しかったごく招集に限られ、
主に家族が中心となって執り行われる葬儀です。
費用的にもおおよそ100万円前後となるので負担は少なくなります。
ただ、誰を呼ぶかを遺族だけで考える場合、かなり時間を要します。
仮に故人が生前に訃報連絡を出す相手を家族に知らせておけば
かなりの負担軽減となります。
3)一日葬
通夜をせずに葬儀・告別式そして火葬までを一日で行う葬儀です。
家族葬をさらに簡略化したものとも言えます。
参列者はより絞られることになるので、費用面でも50万円前後のようです。
4)直葬
最近話題になりつつある最もシンプルな葬儀です。
と言いますか、葬儀をせずに火葬後は即埋葬、収蔵するスタイルです。
場合によっては血縁者も遠隔地在住の為に火葬にも立ち会えないとなり、
遺族との間で揉めるケースもあるようで、式自体は簡潔ですが、
事前にその旨を周知徹底し、理解を得ておく必要があります。
費用面では火葬に関連する費用が主ですから、10万~25万円前後だそうです。
【最近の傾向は】
私の経験では友人知人の関係する葬儀は全て「一般葬」でした。
時間が取れれば通夜に駆け付け、翌日の葬儀にも参列するというのが
殆どで、唯一キリスト教徒だったケースを除き一般葬の範疇でした。
それがこの4年にわたるコロナ禍で大きく変わってきたようです。
一般葬をしたくとも出来ない環境が続き、家族葬、下手をすれば直葬で
葬儀を行うことで葬儀の簡素化がごく当たり前のこととなったのです。
さらに、コロナとは関係なく
持続する少子高齢化、核家族化も葬儀の変化にひと役買っていました。
仮に故人が90代で天寿を全うした場合、
故人の友人知人で参列出来る方がほぼ皆無ということです。
仮に存命中であっても、外出困難な状態で参列が叶わない。
親族の中でも故人の兄弟も既に先立っているなど、
故人を知る関係者がいなくなっているというケースです。
こうなれば家族葬、一日葬を行うことに誰からも何も言われません。
見方を変えれば、これまでは故人や家族の想いとは裏腹に、
世間体や親族への見栄、会社への義理立てなどの理由で
不本意な一般葬を行ってきた流れが変化出来たのです。
堂々と遺族の思う形での葬儀で故人をお見送りする事。
当たり前のことが当たり前に出来るようになったのは
喜ばしい変化と言えるのではないでしょうか?
【葬儀に関する課題】
さて、葬儀の形はいろいろ多様化していますが、
葬儀の前に検討すべき課題は変わりなく存在します。
以下に最低限の事前検討を要する課題を挙げてみました。
・喪主は誰がするのか?
・葬儀までの遺体の安置場所は?
・誰に連絡し、誰に参列して欲しいか?
・宗旨・宗派の確認は出来ているか?
・葬儀会社や式場をどうするか?
そして
・どのような形式の葬儀を望むか?
50代60代でも死は突然にやってきます。
嫌なことですが、そうなってしまえば自分より
さらに経験不足な30代前後の子供たちが葬儀を執り行うのです。
80代以上の老親が健在な50代60代の貴方は
老親の葬儀について話し合ったこと、自身で考えたことはありますか?
同じことを30代の子供に伝えているでしょうか?
遺産相続や遺言書だけが終活ではありません。
最初に発生し、課題に直面するのは葬儀です。
シニア世代は高齢の親への備えと共に、
未だ経験不足な子供への物心両面の支援を考えつつ、
自分の第二の仕事、人生に向き合わなくてはいけません。
仮にこのコラムを読んで下さっている80代前後の方は
出来ることなら進んで子供世代とこの問題についての相談や
自分の想いを伝える場を設けて頂きたいものです。
自分の為でもあり、子供たちへの為でもあるのですから。