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なくて七癖? シニア世代になったら節約に取り組みましょう!

寺田淳

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【今日のポイント】

 子供も独立し、家を出た。
めでたく定年を迎え、第二の人生を夫婦二人で迎える事になった。

 社会人になる、結婚して家庭を持つに続いて
三番目の人生の大きな節目となるのが
定年退職から始まるシニアライフのスタートではないでしょうか?

 ここでは、仕事以外の面で今までの生活から
変わる、変えなくてはいけないあれこれについて
ランダムに語っていきたいと思います。

【今までの惰性で続けていませんか?】

・固定電話 
 今後の社会の流れを見ると、固定電話は必須アイテムとは言えません。却って悪しき流行のアポ電やオレオレ詐欺のターゲットにされるだけです。各種の契約の場合も今では携帯番号の記入欄は当たり前になっています。まだ所有されているのであれば、今から1カ月単位で、どの程度使用したかを調べて下さい。1年間で何か所に、何回かけたのか?稼働状態をシビアに見直して下さい。果たしてその結果で保有するメリットがあるのかどうか、客観的判断をしてもいいタイミングです。自営業で使用している以外では思った以上に「不稼働」というケース、少なくありません。

・新聞・図書の定期購読
 特に企業の管理職経験者に多く見受けられますが、経済新聞と一般紙、複数の新聞契約を定年後も続けているケースがあります。さらには他にもごひいきの球団母体のスポーツ新聞も併読していることも。第2の仕事でも活用出来るのであれば別ですが、そうでなければ複数購読は惰性の産物と言えるのではないでしょうか? 最近は紙媒体ではなく電子版での購読も広まっています。ごみの削減のためにも紙媒体で購読する意味は何か? 複数購読の価値があるかどうかは検討する価値があると思います。

・パチンコ、宝くじ
 趣味の領域になるので絶対とは言えませんが、定年後の定期収入に見合った範囲でなら、その分に応じた範囲で継続しても問題はないでしょう。ですが、殆どの場合、現役時代の収入をベースにした「投資」を継続しており、生活費への大きな課題となるケースは少なくないのです。 流れ込んでくる水量が半分になったのに、今まで通りの量を汲み上げていたら、いずれ干上がるのは当然のことですね。

・マイカーの所有
 こちらも趣味の世界と区別する必要がありますが、例えば会社通勤に使っていたのが所有の最大の理由であるならば、もはや用済みではと検討することも必要でしょう。維持するだけで税金からメンテナンス費用、ガソリン代、場合によっては駐車場代といった多額の費用の産物です。使用頻度との対比は最も必要なアイテムかもしれません。
 さらに、高齢になれば運転リスクも高まります。特に都心に暮らす場合は、交通網は充実していますから所有を続けることの是非を検討する価値はあると思います。

 但し、今回のようなコロナ禍の中で自家用車保有のメリットは高いものがありました。他人が関係しない安全安心な移動手段であることは勿論、大地震などの災害時の緊急避難場所にも適している(電気の確保、寒暖からの避難、情報の入手、プライバシーの確保等)点は否定出来ません。個々の事情に応じた慎重な判断が必要な問題ではあります。

【世間体に流されてませんか?】

・同窓会・同期会
 これも個人の主観によるものですが、半ば義務として参加しているのであれば考えものです。今後は特に親しい友人同士で、不定期に集まればいいのでは? 遠距離に暮らしているのでであれば、移動費用も時間も体力的にも、けっこうな負担になります。

・冠婚葬祭への参加
 義理や世間体からの参加についてもいい機会なので再考してもいいと思います。これからは本当にする参列したいものだけに絞り込む、気持ちの問題に加えて、不本意な祝儀や香典ほど無駄な出費はないのです。

 幸か不幸か、コロナ禍によって先の同窓会や冠婚葬祭への出席はいやおうなく自粛となりました。既に半年以上となりますが、このおかげ(?)で義理や世間体優先の行事には参加しなくても問題にはならないという考えは確実に浸透しています。

・年賀状等
 これもなかなか自分から辞めることが出来ないものです。年賀状を始め時候の挨拶等も会社時代の繋がりだけで義務的に続けているものや、退職後一度もあってないような相手に続ける必要性をこの機会に見直してもいいと思います。 特に近隣に住まいがある友人で、日頃連絡を取り合ているような関係であれば、電話、メールやSNSで都度連絡や挨拶を済ませることで儀礼的な行事を省くことに繋がります。実際のところ、私を含めて今の業務に関係のない中で連絡を取りたい相手を数えてみると、概ね20人前後というのが実態でした。

・法事全般
 本家だから、長男だから親族一同を集めて法事を執り行う。これも惰性で続けているのでは?あるいは世間体を気にしての行事になっているのではないでしょうか? とはいえ、なかなか決断出来ない課題であることも事実です、ですが分家や親せきの中にも本音は自宅で静かに供養したいという方も多いのです。本当に故人を偲んでの出費なのかを再検討する価値はありますし、一度すっぱりと以後は各自で偲んでくださいとすれば、楽になれるのです。

 こちらもコロナ禍によって法事の延期や中止を余儀なくされています。この期間、特に不都合がないのであれば、今後もこのままの流れで済ませることも容易でしょう。

・スーツの新調等
 再就職先、業務内容によっては必要なものですが、自営業やスーツ不要の業種であれば、もはや無用の長物でしかありません。却って新調したとなると誰かに見せたい自慢したいとなり、無駄な会合へ無理に参加し、より出費がかさむという負の連鎖の要因になることもあり得ます。

【各種の見直し】

・保険の見直し
 補償内容が豊富な生命保険は子供が未成年や独立直後までで十分、その後は夫婦の葬儀代の備え程度の保証内容でも本来の目的に適うのです。惰性で継続しているものの中のトップとも言えるでしょう。さらに医療保険も契約時期によっては最新の治療対象外のケースもでています。保険対象の範囲を毎年確認し、それか高額療養費制度で賄えるのであれば、思い切って解約することも視野に入れて検討しましょう。

・投信・株取引
 定年だから止めろという意味ではありません。
定年だからという訳でもないのですが、少なくとも現状の取引実態に関しては必ず家人に伝えることです。認知症以外にも事故・急病で判断力を喪失すれば、多額の資金が解約も引き出しも出来なくなるリスクをよく考え、償還期限が来たものは思い切って現金化しておくこともリスク管理になります。

 株についてもパチンコや宝くじの様に趣味で行うケースもあるので、やはり投資金額については今までとは異なる限度額を決めるべきですし、漠然と行うのではなく、長期保有での資産保全を目的とするのか、利益確保を狙うのかによっても投資内容は変わってきます。何年も何十年も同じ銘柄だけを持ち続けるだけの投資なら、この機会に見直す必要があります。

 さらにネット証券の場合等は、その事実を家人に知らせないまま死亡した場合は、後日思わぬ形で遺族に迷惑を掛ける事にもなります。

・定期購入の健康食品類
 なんとなく続けている、効いているような気がする等の漠然とした理由で、健康食品や産直の産物を摂り続けているケースは意外に多いのです。サプリ系は特に一度見直すいいタイミングです。 特に一人暮らしならば、これも定期購入の事実だけは必ず親族等に伝えておくことも必要になります。

・ゴルフ会員権、スポーツクラブ等の会員
 会費と使用実態の精査が必要です。会費は払っているもののジムの利用が月1回では会員になっている意味はありません。おもしろいもので会社員時代の時間をやりくりして事務通いをしてた時の方が、定年になり有り余る時間を手にした時以上に活用出来ているのです。時間があれば回数が増えるというのは自分に対しての言い訳でしょう。ここでも見栄、世間体が判断を鈍らせているようです。現状ではコロナ禍の中、感染リスクの問題も無視出来ません。これらの会員の有無についても家族には必ず詳細を伝えておくべきです。
 
 以上、いろいろ課題を採り上げてみましたが、これらを一気に同時に見直すべきとは言いません。 まずは出来るものから段階を踏まえて実施すればいいことです。ひとつでも見直しが出来たなら、その後もすんなりと選択を続けられるのですが、最初の課題に挫折するとそのまますべて放置、というケースに陥ります。

 出来るならば60才の区切り、定年のタイミングにあわせて、または定年の1年前と言った区切りがしやすい時期から、取り組みやすいことから始めるといいでしょう。

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寺田淳
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寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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