第二の仕事の相談にある対照的な2タイプ
【今日のポイント】
今話題のマイナポイントの25%還元キャンペーン。中にはこのおかげで初めてマイナンバーカードに関心を持った方も少なくないとか…?
今回はマイナンバー制度の、今更ながらの基礎知識から現在直面する課題や今後の方向性について簡単に紹介したいと思います。
【これまでの経緯】
まずはざっとその履歴を振り返ってみますと、今から4年前の2016年1月に住基カードの後を受ける形でマイナンバーの運用が開始され、カードの交付が開始されました。その1年後の2017年1月に、今に続く「マイナポータル」が稼働しました。
更にその一年後の2018年1月から「任意」ではありますが、銀行口座への紐づけが開始されています。
そして今年、2020年の9月からキャッシュレス決済のポイント還元策となる「マイナポイント」がスタートします。この7月から予約の受付も始まりました。
個人的な見解ですが、制度開始後4年を経て初めて利用者が関心を持つサービス(普及促進策)が展開されたと思います。
【問題点】
ですが、このマイナポイントの申請手続きに「マイナンバーカードを使ってのオンライン申請が可能」というやり方が大きな問題となってしまいました。詳細は省きますが、申請はデジタルでもそれを受けた行政側は「手入力」で内容確認や申請手続きを進めるという泥縄式対応が大半の自治体で発生したため、現在ではオンライン申請を停止した自治体が100に近づいているとのことでした。
同様のトラブルが、10万円の定額給付金の申請時にも生じたことは記憶に新しいと思います。結局ここでも郵送による申請を推奨するという有様でした。
さらに、このマイナポイント特需で マイナンバーカードの取得は促進されたように見えますが、この7月1日現在の全国の普及率は未だに17,5%という低空飛行が続いています。制度導入4年で20%にも満たないサービス・・・
何度も言われていることですが、最大の阻害要因としては、利便性の低さと言えます。
現行の法律によりマイナンバーの活用範囲はかなりの制約が課せられており、臨機応変にマイナンバーカードの情報を活用出来ない点などはその最たるものでしょう。
さらにはこれも現時点での話ではありますが、マイナポイントのパソコン上での予約等の申請は「インターネットエクスプローラー11」でしか出来ないとありました。
因みに私は事務所、自宅それぞれのパソコンはEdge搭載ですので、このままでは私はマイナポイントを活用出来ないということです。
こんなケース(による未取得に留まっている要因)も決してレアケースではないと思うのですが・・・
【これからの展開】
そんな中、来年2021年の3月には健康保険証としての利用開始が予定されており、秋には常用する薬の情報や健康診断のデータもカードから確認出来るようになる予定です。
現在運転免許証との一体化に向けた工程表も策定中とのことでした。
ですがもう一つの阻害要因である「セキュリティへの懸念」「個人番号制度への根本的な拒否感」に対しては未だ有効な策は無いのが現状です。事実、これまでもグリーンカードや住民基本台帳カードが展開されてきましたが、それぞれ目的を果たすことなく終わりました。
このような心情的な抵抗を払しょくするのは単純に過剰なサービスや特典の押し付けでは難しく、利用者側が利便性を十分実感出来るまでの各種制度への対応を可能とする法整備や、縦割り行政の弊害を排除することでしょう。
一部の暴論では高速道路の通行はETC搭載車のみにするという考えと同じく、マイナンバーカードを保有していないと行政サービスが受けられなくなるとすれば、普及は一気に拡大するというものがあるようですが、これでは特定の人に(この場合カードを持たない人)に不利益があってはいけないという行政の公平性が問われることになります。
飴だけでも、鞭だけでも普及は進みません、多くの利用者がこれならカードを持つメリットがあると思う決定的なサービスや利便性、に加えて、個人情報の国家管理や情報漏洩のリスクへの納得のいく対応策の構築が一日も早く公開されることを期待しています。