第二の仕事の相談にある対照的な2タイプ
【今日のポイント】
コロナ禍による自粛生活になんとか出口が見えてきた感があるこの頃ですが、その先に待ち構えている企業の業績不振によるリストラの増加についてはまだ、ピンと来ない感があります。
感染症の第二波のリスクが注意喚起されていますが、別の角度からコロナ禍の第二波は確実に始まっているようです。
ここでは5月の時点での各方面で公開された解雇を含めた雇用調整の話題について紹介していきます。
【厚生労働省のデータ】
まずは、厚労省調べのデータによりますと、新型コロナウイルス感染症を理由に解雇等で雇用調整をする可能性があると答えた事業所が、5月29日時点で30,214事業所にのぼったとありました。
前週の調査からの増加分は、8,155事業所でわずか1週間で40%増になったのです。事業所の内訳では製造業がトップで6,298事業所で、次いで飲食業が4,760、小売業が3,028、サービス業で2,418事業所となっていました。
あくまでも「可能性」についての回答ですので、この6月からの経済の復調度合いによっては減少することも十分あり得ますが、同様に市況の回復が遅れた場合にはこの数字以上の「決断」を下す事業所が出てきてもおかしくはありません。
【東京商工リサーチのレポート】
次に、東京商工リサーチの調査によりますと、最近早期退職勧奨が急増しているとありました。
2020年1~5月の期間に、上場企業で33社(人数では5,417人)が早期退職の募集をしたそうです。因みに昨年1年間の実績は35社だったそうで、これと比べるとたった5か月で前年実績に肉薄する勢いなのです!
私もこの場で昨年のリストラや早期退職勧奨は今までにないパターンである「黒字リストラ」が多く見受けられたと紹介してきました。これは国の施策である「定年延長、雇用延長促進」等への対応として、業績が好調なうちに人員構成の見直しを図る「先行型」リストラでしたが、今年のリストラは所謂「業績悪化」を理由とした今まで通りの「赤字リストラ」に逆戻りして、おまけに急増しているとのことでした。
【ヤマ場は年末にかけて?】
赤字や減収減益の傾向は、実は今年の後半にかけてより増加傾向が強まると言われてます。
例えば、まだ記憶に新しい2008年9月のリーマンショックの時も、希望退職(早期退職勧奨)が増加したのは年を越した1月以降だったのです。
このことから見ても、今回のコロナ禍による業績悪化への対応として社内体制の構造改革に取り組み、その結果を受けて多くの企業が余剰人員整理に着手することは必至で、その流れは今年後半から顕著になるといわれています。
さらに、より深刻な見通しとしては、「企業倒産」の増加です。コロナ禍による倒産は既にこの5月までで全国で200社に達したそうで、このままのペースで進むとしたら、最悪の場合年末には1万を超す倒産にまで拡大するという見通しが出ています。(その後のデータでは6月10日現在で経営破綻は235社に増加、うち飲食関係が36社とありました。)
一難去ってまた一難以上のシビアな現実がこれから始まるということは、勤め人、個人事業者共に十分認識しておく必要がありそうです。まだ危機は去っていない、気を緩めるのはまだまだ先の話ということです。