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特別支給の老齢厚生年金とは?

寺田淳

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【今日のポイント】

 ねんきん定期便を受け取った方の中で、年金受給額の試算の中に「特別支給の老齢厚生年金」という項目があること、お気付きでしたでしょうか? 今日はこの年金について簡単に紹介していきます。


【特別支給の老齢厚生年金】

 この制度は、昭和60年の法律改正によって厚生年金保険の支給開始年齢が60才から65才に引き上げられたことを受けて、支給開始年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために設けられました。

 但し、この制度「特別支給の老齢厚生年金」の受給の為には次の要件を満たしている必要があります。

・男性の場合は、昭和36年4月1日以前に生まれたこと。
・女性の場合は、昭和41年4月1日以前に生まれたこと。
・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること。
・厚生年金保険等に1年以上加入していたこと。
・60歳以上であること。

 余談になりますが、現状60歳以上で「老齢」という呼称が付くのはいささか違和感を覚えます。名称の変更があってもおかしくはないのではと、個人的には思う次第ですが・・・

 
 他に注意事項としては「特別支給の老齢厚生年金」は「報酬比例部分」と「定額部分」の2つから構成されており、生年月日と性別により支給開始年齢が変わってきます。 詳しくは以下のサイトを参照して下さい。

日本年金機構ホームページより


【具体的には?】

 具体的に見ていきますと、私の場合昭和32年生まれなので、この説明によると63歳から2年間、この年金を受給出来ることになります。
但し、これもその他の手続きと同様に自ら「申請」しなくては始まらないのです!

 ただ、私の場合ですと63歳の誕生日(支給開始年の誕生日)の2,3カ月前(9月過ぎ辺り?)に郵送で通知が来るそうです。その郵便物の中にこの年金の説明と申請に必要な資料が同封されており、必要事項を記入し返送することで受給資格が確定するようです。

 この郵便物は、通常の郵便で郵送されてくる為、間違ってチラシやDMの類に紛れたまま廃棄など絶対にしないようご注意下さい!

 内容としては、2年間、隔月の計12回にわたっての支給となり、この点は通常の年金と同じ支給の間隔となります。

 この年金に関しては、受給期間の引き下げといった「応用」は出来ません。当該の年齢に達した時点で支給が開始されるというものです。

【年金事務所とねんきん定期便】 

 さて、特別支給の老齢厚生年金に限らず、年金の受給年齢が迫ってくるといろいろと疑問や不安が生じてきます。そういった時にはネット上で確認するよりも、各地に設置されている年金事務所に出向いて、直接いろいろな疑問点を問い質して一気に解消したいと思っても不思議ではありません。 ですが、年金事務所の対象は原則「年金の受給が開始されている」人ということはあまり知られていません。

 相談の際に訪問の予約が取れるのも、原則年金受給者のみとされており、私のような受給開始前の者は予約が出来ませんから、直接窓口に出向き、時間が合えば対応してもらえるという対応になるようです。運が良ければ即対応され、悪ければ何人かの予約客に先を越され長時間待ちぼうけをくらう事になる訳です。

 こういった事態を僅かでも避けるためには、事前に当該年金事務所に連絡をして、過去の一般的な繁忙曜日や時間帯などを確認し、比較的余裕のある曜日や時間帯に出向くようにして下さい。

 次に、最近のねんきん定期便のことですが、「年金事務所からのお知らせ」といったメール等でペーパーレス化、業務効率化のために郵便での通知からネットからホームページへアクセスして情報を入手するやり方への変更を強く推奨してきます。

 確かに、サイトからの通知に切り替えれば、紙の郵便物と違って紛失や破損のリスクは避けられますし、何時でもどこでも何度でも容易に内容の確認が出来ます。 私自身数年前に郵送通知をネットからの通知に切替、その都度確認するようにしてきました。

 但しこの場合にもリスクは当然あります。 アクセスに必須のIDやパスワード、秘密の質問と回答を忘れたり、記憶違いで間違った答えを繰り返すと、ロックがかかってしまいます!

 いったんロックがかかりますともうパソコン上で解除することは出来ません。 郵送通知というサイトにアクセスして、正しい番号やパスワードなどを郵送で確認するしかありません。その場合概ね2,3日後(!)に正しい情報を記載した書面が郵送されてきます。

 その間はロックは解けないので年金に関する個人情報は見れなくなります、場合によっては大きなロスを生じかねませんので、番号の管理には注意が必要です。 特に大文字小文字の設定をミスしたり、記憶違いしていたりするとこの事態を招きやすいので正しい情報を確実に保管することが求められます。

 かくいう私も、1年ぶりに内容確認をしようと思った際に、完全に大文字変換を忘れたまま操作を繰り返した結果、ロックがかかり、正しい情報が郵送されているまでの3日間は情報確認が出来ないという不完全燃焼な時間を自分に課してしまいました…!

 こう書きますと、それならば従来通り郵送にしておけば自分が忘れていても自動的に届く、パスワードもIDも不要で内容を確認出来るし、そのまま保管も出来るので扱いが容易、手元にあれば何時でも見直すことが出来るから、わざわざネットに切り替えることは必要ないのでは?という考えもありますが、郵送の情報は年1回しか情報が更新されません。期の途中に何か年金に関する諸条件や設定条件が変更された場合も、リアルタイムで変更内容の把握が出来ないのです。 また冒頭に書いたように、破損、紛失してしまえば元も子もありませんね。

 郵送、ネットどちらにも一長一短があります。 また一度郵送からネットに切り替えたら二度と郵送を選択出来ないということはありません。使い勝手を検証し、再び郵送での通知を選択することは可能ですので、どちらがより自分のライフスタイルに適しているかを試してみてもいいと思います。

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寺田淳
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寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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