【加えるだけで会話に臨場感をつける便利な表現】
組織コミュニケーション支援コンサルタントの斉川貴子です。
今回は「部下を育てる言葉がけ」のお話です。
「ありがとう。」
職場で交わされるこの言葉は、感謝を伝える大切な一言です。
しかし、管理職の立場では、それだけでは部下の成長につながらないことがあります。
例えば、部下が期限より早く資料を完成させたとします。
「ありがとう。」
もちろん嬉しい言葉ですが、何がどのように良かったのでしょう。
そこで、次のように伝えてみてください。
「予定より早く仕上げてくれたおかげで、私も事前に内容を確認できたよ。安心して会議に臨めた。ありがとう。」
また、お客様対応の場面では、
「丁寧に対応してくれてありがとう。」
ではなく、
「最後まで相手の話を遮らずに聴いていたね。その姿勢が、お客様の安心感につながっていたよ。ありがとう。」
というように、どの行動が良かったのか、そしてその行動がどんな成果や価値につながったのかを具体的に伝えます。
会議で発言が少ない部下が勇気を出して意見を述べたときも、
「意見を言ってくれてありがとう。」
だけでは終わりません。
「現場の視点を話してくれたことで、私たちにはなかった気づきが得られたよ。ありがとう。」
と伝えることで、部下は「自分の意見には価値がある」と感じ、次も発言しようという意欲につながります。
管理職の役割は、成果を評価するだけではありません。
部下の行動や努力、成長の兆しに気づき、それを言葉にして返すことです。
人は「褒められた」ことよりも、「自分の行動を見てもらえていた」と感じたときに、大きな信頼を抱きます。
そして、その信頼が挑戦する勇気や主体性を育てます。
忙しい毎日の中では、「ありがとう」の一言で終わらせてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、ほんの一言だけ具体性を加えてみてください。
「何を見ていたのか」
「その行動がどんな価値を生んだのか」
この二つを添えるだけで、感謝は「承認」へと変わります。
承認は、決して特別なことではありません。
相手の行動に気づき、その価値を言葉にして伝える習慣です。
管理職の何気ない一言は、部下の自信を育み、「この職場で頑張りたい」という気持ちを育てます。
そして、その積み重ねが信頼関係を深め、一人ひとりが力を発揮できる組織文化をつくっていくのです。
今日の「ありがとう」に、もう一言添えてみましょう。
その一言が、人を育て、チームを育て、組織の未来を変える第一歩になるかもしれません!!


