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◆手軽に使える毛筆ペン
筆ペンは1973年(昭和48年)に、セーラー万年筆によって開発され、手軽に手紙類に使えること、特に年賀状の宛名書きによって一気に普及しました。筆ペンは当初は登録商標であったものが、この種の筆の通り名となり、各社も相次いで発売。細い合成樹脂による人造筆で、これまでの動物の毛の筆に比べて、コシの強いことが特徴。その後、穂先の品質もいちじるしく向上してきています。
ただし、近年では年賀状の宛名もパソコン入力に替わり、筆ペンを使う人がごく一部に限られてきているようですが、店頭では、和菓子店や呉服店など、和の商品のお店では、プライスカードなどに活かされています。
◆バラエティーに富んだカラー筆ペン
POP広告に活用するには、カラー筆ペンが適しています。カラー筆ペンは、和風の書体ばかりでなく、カリグラフィー(欧米の美術的筆記体)や水彩画なども幅広く使われています。ここでは、カラー筆ペンの「ぺんてるカラーブラッシュ」を使ってみます。カラーブラッシュは、水性染料を用いた鮮明な発色と18色の豊富なカラー、穂先(ナイロン繊維製)の弾力性と運筆の滑らかさなどで、国内だけでなく広く海外でも人気を得ているようです。カラーブラッシュは画材店・大型文具店で購入することが出来ます。交換用のインクカートリッジが用意され、価格は本体が1本525円、カートリッジが157円(いずれも税込)。
◆カラー筆ペンの活かし方
ペンを持つ手を紙面につけて、指先だけでなく、腕全体を動かすようにすれば、安定して運筆できます。ペンを立てれば細い線、右に寝かせて筆先の腹を当てて引けば太い線となり、筆圧のコントロールで太さが調節できます。はねは、力を抜いて細い線で撥ね上げます。通常はカラー筆ペンをそのまま使いますが、色を薄めて使う方法も効果的。皿に水を入れて穂先を浸します。優しい淡い色の線が引け、絵を描く際にもソフトな感覚が活かせます。穂先の浸し方によって、塗り面に色の濃淡や、ぼかしの効果も生まれます。
◆2色のグラデーション
一本の穂先にもう一本の色を乗せると、別の色が生まれます。ここではピンクとスカイブルーを交差させています。書き始めに淡い紫色の線が引け、徐々にもとのピンクの色に戻ってグラデーション効果が表れます。
また、筆ペンの特性を活かしてカラーの変化が得られます。例えば、1色で塗っておいて、後から別の毛筆に水を付けて色面を刷くと、ぼかしの効果が生まれます。ぼかしは洋紙よりも、画仙紙などの和紙が美しい滲みとなります。青墨の筆ペンだけは顔料なので、水を刷いた上に線を描くとぼかし(日本画では「たらしこみ」)が表現できます。
◆カリグラフィーのレタリング
カリグラフィーは専用のペンで書かれますが、毛筆も使われます。筆圧で線の太さを調節し、斜めに一定に傾けた書体(イタリック体)で表現。ここでは途中でピンクの穂先にスカイブルーを付け、2色のグラデーションを活かしています。
◆カリグラフィーを活かした作品例
カリグラフィーのレタリングに、赤いカーネーションを添えた母の日のカード。カーネーションはピンクの筆ペンの穂先を水に浸し、花の形をぼかして描き、乾いたら、青墨の筆ペンの先で、花びらの線を細く入れます。次いで、グリーンで花のガクと茎を描き、葉を加えます。あっさりと描くことがポイントです。添え書きの文案は、サインペンを使用。
◆カラー筆ペンを活かした和風の作品例
カラー筆ペンを使うと、墨1色の筆文字と違って、華やかな雰囲気が生まれます。和紙に縦書きし、ポイントになる文字に、ピンクとスカイブルーを使ってアクセントに。ここでは紺色のラシャ紙に貼り付けたもの。お店のカウンターに置けば、ふだんのPOP広告とは一味違った訴え方が出来るでしょう。